中日合作映画「離秋」が 8月31日、上海でクランクインし、日本の映画プロデューサー・市山尚三氏も駆けつけた。同作品は1990年代に、中国から日本に移住したある家族が、文化の違いに直面しながらも、その困難に立ち向かっていく姿を描いている。中国新聞網が報じた。
これまで、中国の映画監督と何度もタッグを組んできた市山尚三氏は、侯孝賢監督の「再見南国、再見(Goodbye South,Goodbye)」、「海上花(Flowers of Shanghai)」などのプロデューサーを務めた。そして、賈樟柯監督が中国語映画の新たな時代を築く作品を作り、台頭し、輝かしい経歴を築くのに関わり、その瞬間を目の当たりにしてきた。
市山尚三氏は取材に対して、「タッグを組むパートナーを選ぶときの基準を設けたことはない。いい監督、いい脚本に出会えば、タッグを組む。汪琦監督とも、そのような自由な流れでタッグを組んだ。3、4年前、僕たちは中国の西寧で開かれた映画のイベントで出会い、少し話した。友人が、『汪琦監督は、日本で育った中国の新鋭監督』と紹介してくれた」と話した。
そして、日本で再会した時に、汪琦監督が市山尚三氏に、「離秋」の脚本を見せた。日本文化の要素や家族を描く斬新な視点を見て、市山尚三氏は、すぐにプロデューサーとして参加して、汪琦監督をバックアップすることを決めたという。
中国・北京で生まれ、日本で成長した中国人である汪琦監督は、移民として、異なる文化、言語の日本で感じる葛藤などを、身をもって感じた経験があり、「僕は、移民の中国人にたくさん会って来た。日本で数十年生活したのに、日本語をマスターしていないが、自分の子供は日本の教育を受け、日本の家族観も受け入れていて完全に『日本人』となったという人も多い。映画では、いろんな詳細な部分を通して、そのような葛藤を描いている」としている。
汪琦監督によると、「離秋」は、20世紀末の移民ブームがもたらした「家族」の変化を描いているものの、人間性も映し出しており、現実的な意義があるという。「家族とのトラブルというのは、今の多くの若者が直面している共通の問題。家庭を築くことを望まず、別のもので結婚がもたらす保障を得ようとする若者が増えている。これは、経済が急速に発展した後によく起こる社会現象で、移民だけの問題ではない」。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年9月4日
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