新エネ車には電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)があります。中国はHVとFCVでそれほど高い技術を持ちませんが、EVだけならば中国の市場と既存の工業条件の大部分が、日本を大きく上回っています。中国のEVメーカーは、日本メーカーに「コーナー追い越し」をかける可能性があります。
市場規模を見ると、中国はガソリン車も新エネ車も日本の5−6倍あります。日本の2016年の自動車販売台数は500万台ほどで、日本の人口減に伴い自動車販売台数も減少を続けます。中国は2800万台ほどで、経済発展の継続に伴い、今後2−3年内に3000万台を突破するものと見られます。
自動車製造において、日本にはトヨタや日産など世界的に有名なメーカーがありますが、その主な特徴はガソリン車生産です。三菱と日産はEVを生産していますが、三菱は2006年の販売開始から10年以上が経過するにも関わらず、販売台数は合計で2万台余りとなっています。日産は2010年にリーフを発売し、現在まで35万台を売っています。三菱にせよ日産にせよ、これまで長期に渡り生産・研究開発でEVに専念していませんでした。ガソリン車と比べれば、EVの販売は計算に入れなくても良いほどです。
日本の自動車メーカーはEVの技術を持ちますが、これまでガソリン車に巨額の投資を行っており、その回収に長い時間がかかります。日本メーカーはガソリン車の製造を完全に捨てることができず、EV技術の研究開発に集中できません。EVの世界での急速な普及については、長期的に静観の態度を示しています。
中国は家電面で日本を追い抜いた経験があります。バッテリー、モーター、インターネット車の技術があれば、日本企業がガソリン車の生産と研究開発にこだわり、新エネ車ではHVに注力し、FCVの研究開発に大量の経費を費やすなか、中国企業はEVの研究開発に専念し、バッテリー原材料が豊富、バッテリーの生産能力が大規模、電子製品組み立てで世界最先端の経験といった強みを発揮することで、EVで日本メーカーを追い抜く可能性が高くなります。
EVの研究開発を強化しているのは、今や中国だけではありません。欧州の一部の国も、2040年にガソリン車の使用を禁じるとしています。HV技術がどれほど素晴らしくても、20年ほどの命しかなく、最終的に淘汰されます。FCVは液体水素を使用しており、今後ガソリンスタンドのように数キロ毎に建設するのは非現実的です。
日本企業が戸惑い、新エネ車の研究開発に専念できないうちに、中国企業がEVの道を確固不動の姿勢で歩み続ければ、「コーナー追い越し」を実現する可能性が高いと言えます。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月6日
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