中国で初めてとなる民間資本による高速鉄道建設投資契約が11日、成立した。浙江省の杭州市、紹興市、台州市を結ぶ「杭紹台高速鉄道」建設のPPP(官民連携)事業契約で、総事業費は400億元を上回る見込み。うち、上海のコングロマリット、復星集団(フォースン・グループ)を中心とする民間のコンソーシアムが51%を出資する。
中国の鉄道向け投融資分野で民間による出資は初の事例であり、長年にわたって規制されてきた民間資本参入という壁を打ち破った形で、中国鉄道改革の一つの節目ともなった。
杭紹台高速鉄道は全長269キロメートル、最高時速350キロで、2021年の開業をめざす。第1陣となる民間資本による鉄道建設モデル事業は8件あり、杭紹台高速鉄道はその1つ。完成すれば杭州と台州の移動時間が短縮し「1時間交通圏」が実現されるほか、温州、台州などの省内主要都市が長江経済ベルトに組み込まれ、長江デルタ都市圏の発展につながると期待される。
同事業は民間主導のBOOT方式(建設、所有、運営、移転)をとっている。政府から権限を委譲された事業会社が運営し、事業運営期間が満了となった時点で事業資産を無償で政府に移転する方式だ。契約期間は34年、うち建設期間が4年、運営期間が30年となっている。
浙江省発展改革委員会の担当者は、「同事業はリスク分担、利益共有の原則のもと、政府も民間資本も投資を回収できるシステムを構築している。政府は事業会社の主体的立場を尊重する一方、事業会社は自主的に価格決定、建設、運営を担い、利益を享受し損失を負担する」と説明。鉄道建設管理に民間資本を呼び込み、複合型の運輸管理システムの今後の在り方を探っていきたいとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月13日
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