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「本気は通じ合う」
-井村雅代コーチが見た日中スポーツ交流-

 

「本気は通じ合う」

井村コーチはオリンピックで外国人コーチの見た「かっこういい中国」を見せたいと言っていた。また中国と日本は学びあい、追いつ追われつ、ともに世界一をめざしていくべきだとよく言っている。そんな井村コーチが講演の最後に、スポーツについて次のような言葉を語ってくれた。

「スポーツのゴールはオリンピックでメダルを取ることではありません。よい人間をつくることなのです」

オリンピックが終わった直後、井村コーチは中国国際放送局が主催した第7回「中日インターネット対談」に出席し、パネラーとして北京五輪での体験や試合のことを話していた。番組の中、井村コーチに内緒で録音したというシンクロチームの9人の選手たちからのメッセージが流れた。

「先生は私たちと違う国から来られましたが、皆共通の目標に向かってがんばってきました。(中略)指導のときは、先生はほんとうに厳しいコーチでした。つらくて、泣きたくなったこともしばしばでした。しかし、それでも今日は『ありがとう!心からありがとう!』と言いたいです」(王娜さん)

「今回のオリンピックで、デュエットの試合が終わってから、チームの試合が始まるまでの2日間、ずっと私たちを慰め、励ましたり、冗談を言って笑わせたりしてくださり、ありがとうございます」(蒋文文さん)

「先生から学んだことで、一番私のためになったことは、粘り強く頑張ることと絶えず自分を超えることです。本当にありがとうございます」(黄雪辰さん)

「先生は、私たちにシンクロのみならず、人としてのあり方や、仲間との付き合い方なども教えてくださいました。(中略)人生は豊富多彩なもので、困難を前にし、しり込みしてはならないことを教えてくださり、これは私にとって、一生の財産になりました」(顧貝貝さん)

……

それを聞いた井村コーチは、すこし涙ぐんでいたという。

「言葉の壁はありましたが、私の言いたいことはちゃんと彼女たちの心に届いたんですね」と井村コーチは講演でも安堵の微笑を浮かべながらうれしそうに言っていた。

講演会の最後に、こういって締めくくった。

「中国での1年8ヵ月を通してわかったことは、中国チームを教えることと日本チームを教えることは同じだということです。本気で相手をよくしようと思う心は文化や言葉の壁を超えてしまうのです。本気は通じ合うのです」(文=孫雅甜)

 

人民中国インターネット版 2009年3月4日

 

 

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