文=孫雅甜 写真=高原
2009年5月15日夜、北京市内の長安大劇院で「2009年日本伝統芸能『狂言』中国公演」が開催された。
|
『棒縛』。酒を盗み飲みして大騒ぎしたところで、主人に帰宅されてしまった太郎冠者(右から一人目・野村万斎) |
公演は、日本狂言界の巨匠であり、「人間国宝」の野村万作氏、および長男の野村万斎氏を中心とする一行によるものである。
今年は中華人民共和国建国60周年にあたり、本公演は、中国対外文化交流協会の主催による中日伝統芸能交流イベントでもある。
|
『茸』。屋敷中に大きな茸が生えて困惑する主人(右から一人目・野村万斎) |
公演では、古風な儀式を多く留める、五穀豊穣を寿ぐ神聖な舞である『三番叟』、主人の留守中に酒を盗み飲みする二人の家来が、縛られたまま何とか酒を飲むことに成功する、という遊び心にあふれた『棒縛』、主人に頼まれた山伏が化け物の茸を退治するという、荒唐無稽で愉快な狂言の代表作『茸』、の三演目が上演された。
|
『三番叟』。黒式尉の面を着け、鈴と扇を手にしながら舞う三番叟(中央前・野村万作) |
本公演は、過去何度も中国公演に参加した野村万作氏による初の単独中国公演である。公演のほか、5月14日午後には、北京大学において、中国の大学生に狂言を紹介する研究会も行われた。狂言の起源・発展の歴史、中国文化との絆、及び面、装束、楽器、しぐさなど狂言に関するさまざまな知識が学生たちに紹介された。
人民中国インターネット版 2009年5月19日
|