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日本へ世界へ広がる孔子学院

 

孔子学院の概況

2004年11月、世界で初めての孔子学院が韓国のソウルに設立された。その後も中国は、世界各地に孔子学院を建設する積極的な努力をずっと続けている。2009年10月までに、87の国や地区に523ヵ所の孔子学院や孔子学堂が建設された。

孔子学院は中国と外国が協力して開設された非営利的教育機関である。世界各国(地区を含む)の人々の中国語学習に対する需要に応じて、世界各国の人々の中国語と中国文化への理解を増進し、中国と世界各国との教育と文化の交流協力を深め、中国と外国との友好関係を発展させ、世界の多元的な文化の発展を促進し、「和諧世界(調和のとれた世界)」を構築することに力を注いでいる。

孔子学院は中国語教育と、中国と外国との教育や文化などの面での交流と協力を展開している。提供するサービスには、以下のものが含まれている。中国語教育の発展、中国語教師の養成、中国語教育のツールの提供、中国語試験の実施や中国語資格認定証の発行、中国の教育・文化などの情報提供、中国と外国との言語文化の交流活動の展開。

日本初の孔子学院

2005年10月、日本で初めての孔子学院が立命館大学に設立された。続いて東京、大阪、九州に東京学堂、大阪学堂、立命館アジア太平洋大学孔子学院がそれぞれ設立された。

日本における孔子学院の先駆者として立命館は、孔子学院や孔子学堂を開設したばかりでなく、中国語教材を積極的に開発し、中国語教師を養成し、各種の講座を開設し、孔子学院が日本や世界で発展するよう積極的に推進している。2007年5月には、第1回の世界孔子学院フォーラムが立命館大学で催され、この年の12月、立命館大学孔子学院は「世界先進孔子学院」として表彰された。

世界初の研究型孔子学院

2007年、世界で最初の研究型の孔子学院が早稲田大学に設立された。早稲田大学には約8000人の学生が中国語を学んでおり、これが早稲田大学の豊かな人材の土壌となっている。ほかの孔子学院とは違い早稲田の孔子学院の主な仕事は、中国を研究対象とする修士課程の学生や若い学者の研究活動や、学者の養成、共同研究、研究成果の出版を主として支援し、学生が高い水準の言語能力や専門能力を持てるようにし、「中日交流の架け橋」としての重任を担う人材を養成することである。

現在、早稲田大学の孔子学院は、「若い学者の養成」「著名な学者の招聘」「中日の学者の学術共同研究」「早稲田大学孔子学院の講義録の出版」などのプロジェクトを展開している。

日本各地の特色ある孔子学院

金沢市の北陸大学は2006年4月に孔子学院が設立された。北陸大学は1994年から、遣隋使、遣唐使にならって「平成の遣中使」として毎年夏休み、学生を中国に派遣してきた。ここの孔子学院はこの活動を継承し、3年間で335人の学生が中国の10都市を訪問した。

王涵学院長によると、学院生の8割は社会人で、そのうち40%がサラリーマン・OL層、20%が家庭の主婦、27%が定年退職者だという。「だから社会の需要にあった課程を開設しています」と王院長は言う。現在、初級、中級、高級の中国語養成クラスのほか、中国映画鑑賞、二胡、書道、中国画、中華料理など特色ある文化講座を開設している。

神戸市にある神戸東洋医療学院も2008年、正式に孔子学堂を開設した。ここの孔子学堂は、中国医学薬学の基礎知識や薬膳、太極拳など中国の「養生」を内容とする講座を開設している。また、中国医学学術交流団や中国医薬文化研修団を組織して中国に派遣し、積極的に中日両国間の中国医学、薬学の学術交流活動を展開している。

 

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