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日本人の「村長」がんばる荒涼たる大地を緑に

 

農家の収入を増やす

現地の農民といっしょに作業をする板垣さん 生態村の開村式で現地の小学生といっしょにヤトロファの木を植える板垣さん

ヤトロファの種は油分が多く、石鹸、潤滑油、農薬、下剤、肥料の原料となる。現在はBDF(バイオディーゼル燃料)の原料として注目されている。油の含有率は30から35%で、収穫量は一株あたり1.5から2.5キログラム。特にヤトロファの種子は非食用で食用油と競合しないため、価額が安定している。また、油分含有量が多く、農薬と肥料の資源投入が少なくて済むというのも大きな特徴である。

2年目、芽吹く前に70センチの高さに摘心すると、4年目には2メートル前後の高さの安定した株になり、収穫の際の手間が省けるようになる。5年目の安定期には、平均して6から8キログラム収穫できる。1000ヘクタール当たり200人の専従者を雇用し、管理する。

かつての不毛の荒地には、いまや緑が広がっている(雲南省麗江市期納鎮期納村)

経済林の植樹は、地域に密着したものである。農民たちもその木の栽培で利益を得ようと考え、日中共同ヤトロファ植林事業が始まった。板垣さんは貴州省南部の約66000ヘクタールの土地を20年契約で借りた。その土地で地元農家の手を借り、ヤトロファの木を育成している。現地の年収はかつて一人当たり2000元ほどであったが、植林事業に参加することによって、毎月800元の収入となる。その収入だけでも一年で9600元となり、前年の年収の約5倍である。

この事業では、日本が投資し、収穫した果実を日本側70%、中国側30%で分け合う。日本側の70%から日本の投資者に還元され、中国側の30%の取り分の種子から搾油した収益金で、防砂植林及び協力者に還元される。現地での管理・運営は現地の会社に一括して委託。ヤトロファの栽培技術に関しては、地元の貴州大学が提供するというシステムである。

貴州省では、2007年1月に50万株の植栽を開始。2008年5月にはさらに80万株増やし、計130万株となった。

 

人民中国インターネット版

 

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