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日本を巻き込む中国語ブーム 若者と中国語の絆

 

スピーチを行う市原一正さん

受賞した学生たち

中国の経済力の高まりや孔子学院の設立にともない、日本の中国語学習者は増えつつあり、まさに日本を中国語ブームに巻き込んだと言える。また同時に、中国語コンテストも頻繁に行われるようになっている。

江蘇国際文化交流センター、南京大学と東洋学園大学の主催による鑑真杯2010中国語スピーチコンテストが12日、東京で行われ、東洋学園大学の学生たちが中国語の暗唱・朗読やスピーチを披露した。暗唱・朗読部門では、15人の学生が白居易の詩「憶江南」や張継の詩「楓橋夜泊」、郁達夫の「江南の冬景色」、朱自清などの「南京」の名段落を読み上げ、スピーチ部門では、12人の学生たちが中国語を習った経緯や経験談を語った。

中国語を習ったきっかけは?

東洋学園大学では、男性が話すフランス語と女性が話す中国語が世界で一番美しいと言われている。第2外国語は必修科目で、英語、フランス語、韓国語などが選択できるが、中国語を選ぶ学生も少なくない。その理由として、スピーチコンテストに参加した12人の学生のうち、4人が「日本語と同じく漢字を使っているから」ということを挙げた。審査員賞に輝いた人文学部3年の元井麗奈さんは、「高校生の時は書道部で漢字をたくさん書いたけれど、正直全く理解していませんでした。大学で中国語の授業を見学に行った時、漢字ばかりで高校生の時を思い出し、とても親近感を感じ、友達と興味本位で中国語を始めました」と語っている。

近ごろ、中日両国の人的交流が次第に深まっている。そのため、漢字があることに次いで、3人の学生からは中国人との触れ合いがあるという理由も挙げられた。4年生の塩野ほなみさんは「大学に入学してから中国人の友達が多く出来ました。それから、私も中国語を話したいと思うようになり、授業で中国語を学び始めました」と話す。また、「バイト先で中国人の方と出会い、少しずつ中国語に興味を持つようになりました」と、2年生の市原一成さん。

そのほかに、歴史的にも経済的にも関係が深い中国に興味を持っていることや、将来日本語教師として中国で働きたいと思っていることを中国語を学ぶ理由として挙げた学生もいた。

中国語は難しいが、面白い発見も

一週間にわたる中国研修旅行に招かれた佐藤昌治さんら4人の学生

記念写真

中国語は難しいが、面白い発見も

スピーチを終えた後、数人の学生が、審査員を務める江蘇国際文化交流センターのスタッフや南京大学の教師から「中国語は難しいと思いますか」と質問された。その答えは一致しており、「とても難しいです!」と全員が躊躇せず答えた。

中国語は日本語と同じ漢字を使っているために親しみやすさがあり、中国語を選択した学生は多いが、学び始めるとその発音や漢字の書き方に悩むようになった。まだ1年生の正本美宴さんが最も悩んだのは四声だという。「日本語は抑揚が少ないけれど、中国語には声調があり、発音してみるとリズムに乗れなくて、頭では理解しているつもりでも実際には声調が全く合っていないことが多くあります」と語る。悩む一方で、面白い発見もある。「日本語と同類の漢字が多く、無意識に日本の漢字を書いていましたが、『平和』と『和平』のように日本語と中国語で同じ意味でも語順が逆の単語など、興味深い発見がありました。簡体字の中であまりにも簡略されて、元の字をなかなか想像しがたい字の謎解きをする楽しみもあります」とある学生は話す。

今後いかに中国語を生かしていきたいか?

東洋学園大学のシンボルとしてのフェニックス・モザイク「岩間がくれの菫花」

今後いかに中国語を生かしていきたいか?

中国語の学習は、学生たちの勉強生活や就職活動にも変化をもたらしている。

「来年2月に上海の大学への短期語学留学を予定しています。与えられたチャンスを好機と捉え、自ら飛び込んで自分の物にしたい」と思っているのは正本美宴さん。環境問題を専攻する市原一成さんは、「環境問題について中国人はどのような意識を持っているのか、南京大学の学生と中国語で意見交換をしたいです」と、中国人学生との交流に意欲的だ。

スピーチ部門で優勝し、鑑真カップを手に入れた人文学部4年の佐藤昌治さんは来年から旅行会社に就職するが、「企業としてもグローバル化が進み、世界中へ事業拡大を行っています。中でも中国に対する事業展開に力を入れており、中国語を話せる人材が求められています。私は近い将来、会社の中国支店でグローバルに働きたいと思っています」と話す。また、中国の人々に日本の豊かな自然、多様な文化の魅力を中国語で伝えると同時に、中国の食事や文化などを日本だけでなく世界に伝えたい考えをスピーチの中で語った。

佐藤昌治さんを含む4人の受賞者は、一週間にわたる江蘇省での修学旅行に招かれる。今回の中国語スピーチコンテストは鑑真杯と呼ばれているが、これについて、「唐の学僧で江蘇省出身の鑑真は、およそ1250年前、苦難の航海の末に来日され、唐招提寺建立をはじめとする大きな足跡を日本に残されました。そのお名前をいただく本コンテストが、日中両国のさらなる相互理解に貢献することを心より願っております」と、東洋学園大学国際交流センターの河島弘美・センター長は期待を込めて語った。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月15日

 

 

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