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日本財団「グローバルアピール2011」を北京大学で発表

 ―ハンセン病および回復者への差別と偏見をなくすために― 

文=孫 雅甜 写真=楊振生

グローバルアピール2011宣言式典の現場

「グローバルアピール2011」を読み上げる笹川会長(右から2人目)と署名した大学の代表たち

日本財団が提唱し、日本財団、北京大学、中国人権研究会が共同で主催したハンセン病とその回復者への差別と偏見をなくすための「グローバルアピール2011宣言式典」が、2011年1月25日午後、北京大学の英傑交流センターで行われた。これは歴史的な瞬間であり、ハンセン病患者が北京から全世界へ向けてアピールした。WHOハンセン病制圧特別大使および日本政府ハンセン病人権啓発大使である日本財団の笹川陽平会長と、北京大学校務委員会および中国人権研究会会長代表が、宣言式典に出席しあいさつした。

挨拶する笹川陽平・日本財団会長

宣言式典では、笹川会長は署名した大学の代表たちとともに「グローバルアピール2011」を読み上げた。そのなかでは、「ハンセン病は治る疾病であるが、ハンセン病への差別は今もなお残っている。教育や啓蒙によって差別の原因となる偏見や誤った知識を正すことができ、また教育や研修をハンセン病患者・回復者・家族が受けることによって社会的・経済的弊害を乗り越える力を得ることができる」ことを訴えている。

今年で6回目となった2011年グローバルアピールは、世界62カ国、107の大学の代表者が賛同し、署名したものである。

なぜ中国の北京大学で世界へ向けてのグローバルアピールを発表したかについて、笹川会長はハンセン病制圧活動における中国とのつながりを語っている。

挨拶する閔維方・北京大学校務委員会主任

挨拶する葉小文・中国人権研究会副会長

1985年前後から、日本財団は中国のハンセン病制圧に一生を捧げたジョージ・ハテム博士をはじめとする中国の医療保健指導者が実施した活動に参画し協力し、双方は相互の理解と協力の体制を築いてきた。また2008年、ジュネーブの国連人権理事会では、日本政府はハンセン病の差別撤廃決議案を提出することになっていた。そのとき中国は共同提案国として日本とともに決議案を提出し、その提案は全会一致で決議された。

さらに笹川会長は、「日本財団は長年にわたり北京大学との間でさまざまな共同事業を行っており、また世界を代表する名門である北京大学から世界に向けてアピールを発表できることを非常にうれしく思っています」と述べ、日本財団と北京大学の間に築かれた強い絆を大切にしていることを表した。

 

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