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ハンセン病回復者に「家」の温かさを

ボランティア活動に青春を燃やす若者――原田燎太郎さん

文=孫 雅甜 写真=楊 振生

近年、中国のハンセン病障害者への支援活動に新しい動きが起きている。大学生を中心とする中国と日本の若者たちの間で、ハンセン病回復者が集まって暮らす中国の村を訪ね、建物の修理や道路の建設などを行うボランティア活動が活発になっている。2004年に中国で「JIA(Joy In Action)」というハンセン病回復村ボランティア組織を立ち上げた原田燎太郎さんは、その代表的な人物である。

中国のハンセン病患者の集まる村でボランティア活動を展開した、初のワークキャンパスが設立された2001年、参加した学生は17人、韓国と日本の学生のみだった。外国人学生たちが訪中できるのは、毎年、夏休みと冬休みに限られ、村の人々との親密な絆を築くのは、容易ではなかった。そこで、原田さんは、もしも、中国の学生が村でボランティア活動を行うことできれば、言葉も通じ、ハンセン病回復者との間にもっと良い関係を築くことができ、また、村に来る中国人が増えていけば、ハンセン病患者や回復者への差別も減っていくだろうと考えた。原田さんは、このような思いを抱きながら、早稲田大学を卒業ののち、中国広東省潮州市の嶺後村に住み込み、中国人ボランティアの募集活動に没頭していた。

記者の質問に答える原田燎太郎さん 質問する弊社の記者

原田さんが初めて学生たちに接し、彼らにワークキャンパスに参加するよう説いたときに、学生たちは、まずこう聞く。「ハンセン病は本当に私たちに伝染しないのですか?」――初期のころ、多くの人が原田さんの活動に疑問を抱いた。しかし、原田さんの説得はしだいに効果をみせ、ボランティア活動に参加する中国人学生は増えてきた。そして中国人ボランティアが増えるにつれ、ボランティア活動を調整するための機関が必要となり、2004年に「JIA」が誕生した。  

「JIA」は、設立ののち、驚くべきスピードで発展している。2008年には、83を超えるワークキャンパスが中国の五つの省で活動しており、1625人余りの若者がこの事業に参加している。しかも参加者の90%は中国人だった。原田さんによれば、現在、毎年およそ2000人の中国大学生がボランティア活動に携わっており、また早稲田大学の学生を含む約100人の日本人学生も参加しているという。

「JIA」という名称は中国語の「家」のピンインでもある。「家」という言葉が象徴するように、ボランティアたちは自分たちの活動を通して、家族の愛情と温かい気持ちをハンセン病回復者にもたらす。ボランティアたちは回復者と手をつないで市場に野菜を買いに行く。また回復者の家で回復者といっしょに火鍋を食べたり、白酒を啜りながらおしゃべりしたり、病で畸形になった足を手入れしたりする。ある回復者は「一番重要なのはトイレや食堂の(建設の)問題ではなく、周りの人々がかけてくれる慰めの言葉、そして人々の関心や支持を感じられることなのです」と語っている。

しかし、「JIA」の成長はけっして順調なものではなかった。事業展開上の困難を聞くと、原田さんは少々恥ずかしげに笑った。「困難はたくさんありますね。私たちは草の根レベルの組織ですので、各方面からの支持が非常に大切で必要でもあります。いままで、地方の病院や中国疾病対策予防センターがずっと支持してくれたおかげで、回復村でボランティア活動を展開することができました。これからさらに多くの病院や政府部門、大学、企業などが『JIA』を支援してくださればうれしいです」と原田さんは真剣なまなざしで語り、そして微笑んだ。

「ハンセン病患者と回復者の健康のために、そして日中友好のために、みんなの力でボランティア活動をやり続けましょう!」

 

人民中国インターネット版 2011年1月26日

 

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