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春節の文化を日本地域から発信

名古屋で春節祭を開催し続ける華僑華人たち

文・写真=岡田紘幸(東京支局特約記者)

名古屋の冬を彩る祭、今年も盛大に開催!

名古屋には日本全国に類を見ない、春節を前に開催される一大イベントがある。今年で第5回の「名古屋中国春節祭」が2011年1月28日から30日までの3日間、名古屋市中区の久屋広場で行われた。名古屋に住む中国人らが実行委員を構成。今回は過去最高の40ブースが出店し、来場者は中国の伝統芸能や食文化に触れた。特設ステージでは、名古屋の栄を拠点に活躍する日本人アイドルグループ「SKE48」の歌や中国人女性による雑技や踊りが繰り広げられた。

会場は多くの人でにぎわった

「SKE48」のライブ

さらなる友好関係へ、地域に新しい歴史刻む

この祭は市内中心部の広場を貸し切り、華やかなステージや飲食、展示ブースを通じて盛大に春節を祝うイベント。「この地域で働く華僑華人が一体となって、何か日中友好や民間交流を行いたい」と約6年前に声があがり、当時設立された中華人民共和国駐名古屋総領事館(2007年総領事館に昇格)も賛同し、名古屋や愛知を中心に中部地域の華僑華人の有志が集結した。「中国の春節という特殊な文化を紹介できたら」との発案で、名古屋中国春節祭実行委員会は構成された。

第1回の07年は企業協賛が得られない中、各実行委員が自己負担しながら祭を実行し大成功を収めた。行政や企業、マスコミから大きく注目を集め、翌年は日本の大手企業協賛をいくつか得ることができ、祭の規模や盛り上がりは年々拡大。今では名古屋の冬の恒例イベントとして定着し始めている。他地域や他国の関係者の視察も多く、昨年は春節2日目に中国中央テレビのニュース枠でも放映された。

第5回の実行委員長、中国旅行サービス株式会社の代表取締役・董剛氏は「お世話になっている地域に恩返しをして、民間の相互理解を得ながら地域発展へ貢献していきたい」と意気込み、今年も大盛況の中で幕を閉じた。「今回はステージのレベルも上がり、数多くの人が訪れた。知名度は年々高まり、日中友好の役割も果たせている評価を聞くと感無量。今後の日本と中国の関係は、草の根の民間交流イベントを通じて深めたい」と董実行委員長は語る。

日中の若者も祭通じて交流、春節祭会場で

 1月30日の午後、中国に関心のある日本人学生や若手社会人、中国人留学生などが30人ほど集まり、「名古屋中国春節祭」会場へ出向き交流を行った。主催は日本と中国の若者の架け橋を目指して活動する、交流団体の日中国際親善協会中部支部。手が凍りそうな寒さの中、中華の屋台であたたかい食を口にしながら、会場を歩き中国の文化を味わった。協会スタッフの1人は「政治では両国間でいろいろな問題が起きても、草の根レベルの交流を大事にして今後も場づくりは続けていきたい。今後もたくさんの中国人の若者に来てほしい」と話した。

 

人民中国インターネット版 2011年2月23日

 

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