文・光部 愛 写真提供・日本科学協会
7月19日、22名の訪日団が笑顔で成田空港に到着した。日本科学協会が日本財団の支援を受け2004年から開催し今回で7回目を数える「笹川杯日本知識クイズ大会」で優秀な成績を収めた中国の大学生と教師たちだ。この大会は年々規模が拡大しており、今回は東北・華東・西南の3地域で58大学、177名の学生が参加した。
さまざまな困難を乗り越えて
当初2010年11月に開催される予定だった大会は中日間の摩擦に影響を受け12月に延期。その後さらに無期限の延期になったのち、ようやく今年の4月に開催が決定した。
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適塾で記念写真を撮る学生たち |
訪日団の中に、最も参加校の多かった東北地区大会の優勝校、東北財経大学の出場メンバー3人と指導教師がいた。日本語教育が盛んな吉林大学や黒龍江大学、大連外国語学院などの名門校を相手に見事優勝を手にした彼らだが、そこには指導教師である蒋雲斗先生の大会にかける情熱と、それに応えるメンバーのチームワークと個々の地道な努力があった。
当時4年生の彼らは、大会が延期されたことで就職先の研修と大会準備が同時進行となった。昼間は研修に参加し、夜は趣味や飲み会などを控えてまっすぐ帰宅し机に向かう。朝は毎日6時40分に集まって約1時間、各自の前夜学習内容報告と復習を欠かさなかった。そして迎えた大会は、財経大学のある大連よりもさらに気温の低い長春で行われた。このためメンバーはそろって体調を崩したが、すべての力をふりしぼってクイズに集中した。優勝が決まったときは4人で泣きながら抱き合って喜んだ。
大会を振り返ってのそれぞれの想い
もともと中日韓の関係に興味を持ち、大会では歴史部門を担当した朴光さんは毎日蒋先生と電話やインターネットで連絡を取り合い、指導をあおいだ。良い意味での責任感を感じながら毎日取り組んだ。唯一の女性メンバーで地理と文化担当の安太紅さんは、自ら蒋先生に参加を願い出たという。大会本番で「スカイツリー」と回答すべき問題を「スカイタワー」と間違えた口惜しさを、東京で実物を見て改めてかみしめたと笑顔で話す。また中学時代から日本語に親しみ、文学部門を担当した金奉源さんは「努力すれば出来る事を知り、大きな自信になった。これから何があっても乗り越えられると思う」と話す。卒業後はそれぞれ日本に関係した道へ進む予定だという。
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清水寺を見学 |
このように、日本への強い情熱を持ち地道な努力を重ねて挑む中国人学生たちによって、大会は年々盛り上がりを見せている。今年の秋には南京で初の全国大会が開かれる予定だ。
以下は日本科学協会の大島美恵子会長から学生たちへのメッセージ。「大きく目を見開いて日本を見、将来は中日の架け橋になってください。南京でお会いしましょう!」
人民中国インターネット版 2011年7月29日
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