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震災から1年、上海で冥福と復興願う写真展

 

文・写真=岡田紘幸(東京支局特約記者)

開幕式後の観覧の様子、被災地に思いを寄せた

東日本大震災から1年を迎えた3月11日午後、犠牲者への追悼の意を込め、被災当時の状況や復興する過程などを紹介した「福島県復興写真展~美しいふるさとの復興を祈って~」が、中国・上海市内の文化芸術スペースで開幕した。同会場で18日まで。

この展示は、上海に駐在事務所を構える福島県を中心に、被害が大きかった岩手・宮城・福島の被災3県の写真などを通じ、復興への歩みを進める1年の姿を紹介するもの。写真70点を展示した。午後1時より始まった開幕式では、福島県知事の挨拶文代読、ならびに主催者(福島県上海事務所、上海福島県人会、在上海日本国駐総領事館)、後援の上海市人民対外友好協会による挨拶が行われた。

震災後には中国からの支援が行われたが、上海においても多額の義捐金を受けた。こうした国を超えた多大なる支援に対して、日本側から感謝の意と、今後の復興に向けた強い決意が伝えられた。中国側は、「この1年で日本人の姿から、友情や団結の大切さを感じた。以前に福島を訪れたことがある中国人には『美』の印象が強く残っている。復興によって、震災前よりさらに美しい地になることを確信している」と今後の継続した支援を約束。その後、日本の追悼式のテレビ生中継を流し、震災発生時刻の午後2時46分(中国時間は同1時46分)、参列者全員で1分間の黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈った。

國分健児・福島県上海事務所首席代表 泉裕泰・在上海日本国駐総領事館総領事

開幕式に日本人中国人の多くの来場者がつめかけた

日本の追悼式の映像を見つめる来場者

展示では、福島の美しい風景や震災の様子、世界からの励ましの声の他、福島県の食品の安全性確保に向けた取り組み、福島県内の高校生によるメッセージを紹介。「両親や先生、募金や物資を送ってくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱい」「多くの人の努力に報いることができたら」「これからの福島の復興に貢献できるような力を身につけたい」など次世代を担う若者の声に、福島県上海事務所の國分健児首席代表は「高校生の思いに負けないように、復興へ力を注いでいきたい」との決意を語った。

※写真展は3月18日(日)まで毎日午前9時から午後5時、長寧文化芸術中心1階(上海市長寧区仙霞路650号 安龍路付近)にて実施

同日夕方には、上海環球金融中心で約200人が参加し、東日本大震災の犠牲者らを追悼する在上海日本国駐総領事館主催のキャンドルサービスも行われた。

 

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