中国観光客を増やすには──
3日午後、県立博物館で沖縄県民の代表と率直な交流を行った。上原良幸副知事は、「沖縄の地理的な位置によって、アジアと世界に向けてサービスを提供するという戦略が決まった」と語った。昨年7月、中国人観光客を対象に沖縄へのマルチビザが発給されるようになると、中国人観光客は87%も激増した。「今年は日中国交正常化40周年なので、中国人観光客の沖縄訪問の新しいピークを作りたい」と強調した。
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平和祈念資料館で歴史資料に目を通す日本の若者たち |
上原副知事の紹介と期待について、出席者はそれぞれ初訪問の印象と、観光業振興に関する建設的な意見を述べた。
一人は、沖縄はハワイと似ているところがあるが、ギリシアやメキシコの小島の雰囲気もあり、こうした南国アジアのロマンチックな雰囲気は中国人観光客に親しまれやすいと思うと語った。また一人は、次のように話した。沖縄には戦争の悲惨な歴史がある。さらにもっと長い歴史をひもとくと、琉球王国と中国は悠久の関係を持っている。沖縄の多元的文化と歴史は中国人観光客に十分魅力的だ。
中国中央テレビ局(CCTV)のキャスター・白岩松氏は持ち前の率直な話し方で語った。沖縄は自分のメリットがどこにあるかはっきり分かっていないのではないだろうか。中国人に対し、大多数の県民が勧めるのは観光スポットと飲み物、食べ物だ。しかし実は、沖縄にやって来る中国人の大部分が豊富な観光経験を持ち、彼らの関心は、沖縄風のゆったりとした生活、美しい自然風景、風俗習慣、安全な食品、さらには新鮮な空気なのだ。白氏はまた沖縄本島の整備が遅れている公共交通機関について改善意見を述べた。
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沖縄県が主催したレセプションであいさつする仲井真弘多知事(右) |
他の出席者も沖縄の観光業の改善について助言した。沖縄観光のピーアールはまだまだ足りない。シンガポールとニュージーランドほど印象深くはならない、若者が愛読しているムック『知日』を通じてもっと紹介してもいいし、あるいは北海道の成功事例を参考にし、映画を媒介として、沖縄と中国の歴史的なつながりを活かし、中国人観光客に親近感を持たせてもいいだろうという意見も出た。
そのほか、中国人観光客の習慣に配慮して、サービスを提供すべきだと考える人もいる。例えば、ミニブログ発信が好きな中国人観光客のために、スムーズな通信手段を確保するとか。ホームステイを提供し、日本人の生活を体験させるとか。ハイエンドの観光客はぜいたく品の購入に目がないので、離島免税政策を立てるとか、などなど。
沖縄県が主催したレセプションで、仲井真弘多知事は中国メディアによる沖縄ピーアールに対する切なる期待を熱く語った。当地のメディアも非常に重視し、翌日の朝刊『琉球新報』『沖縄タイムス』がこれらの適切な意見を報じた。
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