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中国でかなえたいそれぞれが抱く夢

新学期の留学生申し込みの受付はまだ始まっていないが、北京師範大学の留学生・南正陽さんはすでに忙しくしていた。彼が中国に留学し始めた頃は、言葉も通じないし、学校周辺に何があるかよく分からなかったので、必要なものをどこで買うか、どこのレストランがおいしいか、郵便局はどこにあるか、誰かに尋ねるのも一苦労だった。多くの留学生たちが不便を感じていたところ、南さんに良いアイデアが浮かんだ。彼は数人の友達と一緒に奉仕活動を始め、来たばかりの日本人留学生のために学校周辺の生活地図を作成した。

北京語言大学で中国語を勉強中の水谷知世さん

南さんは、学校周辺の店舗経営者たちに相談を持ちかけて、協力を要請した。経営者たちに数百元またはそれ以上の費用を負担してもらう代わりに、この生活地図に彼らの店の広告を掲載し、彼らが提供してくれた資金と印刷コストを相殺することによって、留学生たちは実用的な日本語地図を無料で受け取ることができるようになった。この地図を持っていれば、誰かに尋ねるために苦労する必要もなく、道に迷う心配もない。この仕事は企業管理を専攻する南さんにとって社会人としての実践経験ともなった。

勉強の合間を利用し、南さんは中国の会社で実習に参加している。「中国の職場の雰囲気が大好きです。居心地が良く、同僚も親切で親しみやすいので、職場のチーム全体が活気に満ちています」と彼は語った。

北京語言大学の留学生・水谷知世さんは、新学期の申し込みを済ませてすぐに、南さんが作成した地図を受け取った。「この地図は、留学生の間で非常に有名で人気があり、みんないつも携帯しています」と彼女は述べた。水谷さんは創価大学から来た留学生で、現在、北京語言大学で中国語を勉強している。「幼い頃に、中国の小説をたくさん読みました。特に『紅楼夢』『西遊記』などの物語が大好きでした。読書を通じて中国文学に強い興味を示すようになりました。中国語を勉強して、将来は中国語の教師になりたいと思っています」

中国に来た留学生は、誰もが自分の夢を抱いている。彼らの多くは、将来のキャリアアップをとりわけ重視しており、中国語を学んで、将来的にビジネスが展開していく中で、中国が持つ独自の優位性を理解したいと思っている。しかし、四川大学国際交流学院の留学生である濱奈美さんは考え方が少し違うようだ。中国に来る前、濱さんは看護士だった。数年前、彼女は世界保健機関のボランティア団体に同行して中国を視察した。一行は中国の雲南省へ行き、少数民族の村を視察し、中国の農村地区では医療衛生面において、まだまだ改善の余地があることに気づいた。その時から彼女は、機会があればボランティアとして中国に行き、現地の人たちの衛生習慣の改善を手伝いたいと願っていた。

四川大学国際交流学院に留学中の濱奈美さん 興味深げに自分の留学生活を記者に話している北京師範大学の留学生南正陽さん

濱さんは、なぜ中国に対してこれほどまでに深い興味と感情を抱いているのか、この質問に答えるには、まず彼女の家族について触れなければならない。濱さんの祖母は、中国東北地方で生まれた日本人だ。幼い頃から長年の間中国で過ごし、その後日本に戻った。濱さんは幼い頃から、よく母親から祖母の話を聞いた。その時から、中国に対し強い興味を持つようになった。「幼いときから、中国に行って当時祖母が暮らしていた土地を見たいと思っていました」

 

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