異郷で示された温かい思いやり
2011年3月11日午後2時30分、寮でインターネットをしていた北京師範大学の日本人留学生・東郷(仮名)さんは、日本の東北海域で大地震が発生したことを知った。驚きと共に宮城県仙台市の実家に電話を掛けたが、なかなか繋がらなかった。地震発生時に母親とわずか1歳の弟が家にいたことを彼は知っていたので、非常に動揺していた。
十数分後、東郷さんは北京師範大学留学生弁公室からの問い合わせの電話に出た。東郷さんの状況を理解すると、学校側は直ちに国際電話とインターネットを彼に提供した。また彼と連絡を保ち、彼の不安な気持ちを察して慰め続けた。東郷さんは苦悩しながら百時間も連絡を待ち続け、そしてついに日本から家族の安否についての連絡が入った。彼の母親と弟は、病院で診察を受けており無事だったという。
東日本大震災発生後、清華大学は在籍している日本人留学生百名余りにメールで彼らの家族の被災状況を確認した。幸いにも彼らの実家の多くが、日本の中西部にあり、深刻な被害は見られなかった。だが、一部の学生は専攻分野が災害救援と関連しているので、日本に戻ることを切望した。清華大学は直ちに航空券の予約を助け、彼らが迅速に帰国できるように尽力した。
北京語言大学は、北京で日本人留学生が最も多い学校だ。500名余りの日本人留学生一人ひとりの状況を確認するのは容易ではないが、すべての学生寮への訪問を深夜まで続けた。地震発生当日の夜、北京語言大学の教職員および生徒一同で、日本人留学生に慰問のメールを送った。メールの中で「今この時も、北京語言大学の私たちの心は皆さんと共にあります。私たちは皆さんと共に積極的に活動し、全力を尽くして日本の被災地出身の学生を援助いたします」と励ましの言葉を贈った。
3月16日、北京語言大学留学生局、学生会および日本人留学生の共催により「一衣帯水、大愛無疆(大きな愛に国境はない)――東日本大震災募金」の活動を始め、同大学生たちの熱烈な反響を呼んだ。ある中国人の学生は「災難は非情で残酷ですが、人は情で溢れています。愛は民族や国境を越えます。四川汶川大地震の時、クラスメートの日本人留学生は積極的に寄付しただけでなく、日本の親友たちに汶川の被災状況を知らせて、寄付を呼びかけました。現在、彼らは不幸に見舞われており、私たちも積極的に援助の手を差し伸べて、助けなければなりません」と語った。
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