文・写真=銭海澎
日本の女性誌の草分け、月刊『婦人之友』の創刊110周年と自由学園北京生活学校開校75周年を記念する座談会「記念のつどい」が9月10日、北京市人民対外友好協会で開かれた。
東京都日中友好協会の三宅進副会長が率いる『婦人之友』の読者一行、自由学園の教師、および東京都日中友好協会の西園寺一晃副会長ら15人と北京市人民対外友好協会の李暁強常務副会長をはじめとする中国側関係者や自由学園北京生活学校の卒業生および父兄代表ら合わせて40人余りが出席した。
席上で『婦人之友』社の千葉公子社長は、同誌の刊行状況や出版意義について紹介し、自由学園北京生活学校の卒業生代表が当時先生から学んだ生活の知恵を振り返った。また、ギクシャクしている現在の中日関係について、西園寺一晃副会長と李暁強常務副会長はそれぞれ、郭沫若氏の教えと「草の根」交流を通じた中日両国間の関係改善を呼びかけた。
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会場の様子 |
自由学園北京生活学校は、『婦人之友』の創刊者である羽仁吉一・もと子夫妻が「北京の児童により良い生活を過ごさせるために生活技能を教える」という目的で1938年に開設した学校で、1945年の日本敗戦まで210名の女子生徒がここで学んだ。
卒業生代表の一人で、3期生(1期の勉強はわずか3カ月)の劉鳳祥さん(88)は、当時の学校生活を振り返り、「教科書はありませんでしたが、すべての教育は日常生活に由来するものでした。先生たちは身をもって、運命に左右されず自分自身で人生の方向を把握するための知恵を教えてくれました」と感謝の意を表明した。
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自作のクロスステッチの作品を『婦人之友』社の千葉公子社長(左から3人目)に
贈った劉鳳祥さん(左から4人目) |
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卒業生の再会、最も高齢の方(中央)は今年90歳! |
『婦人之友』社は、北京市人民対外友好協会を通じて、これまで10年間連続で「見に行く 会いに行く」読者訪中団を派遣している。これらの読者たちは家庭訪問の形で、中日両国の家庭生活について一般市民と親密な交流を行い、また数々の名所旧跡を見学し、中国の文化と社会に対する理解を深めた。
同協会の李暁強常務副会長は、「国と国との交流は両国民間の親交にある。今年の本協会の理事改選においては、候補者の選出範囲を町内会にまで広げ、民間外交を軸に市民層にまで根づかせたい」と語った。
締めくくりは、西園寺副会長が現在の中日関係に触れ、1950年代末に郭沫若氏が語った「日本人が、過去の軍国主義によって中国を侵略し、中国人民に計り知れない被害と痛みを与えたことを忘れず、また2度と同じ過ちを犯さないことを決意し、次世代にも必ず伝えること。中国人は、過去の戦争を水に流し、決して再び蒸し返したりしないこと。そして、われわれがともに力を合わせて美しい将来を考えること。これこそが真の日中友好だ」という諭しを振り返りながら、皆さんと共に真の友好的な日中関係を築くためにこれからも精進したいと決意を表明した。
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発言する西園寺副会長 |
人民中国インターネット版 2013年9月11日
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