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多数の中国人研究者に笹川科学研究助成金が交付

 

文・写真=光部 愛

 

4月25日、東京で「笹川科学研究助成および笹川スポーツ研究助成『研究奨励の会』」が開かれた。日本科学協会と笹川スポーツ財団の合同開催。

大島美恵子日本科学協会会長から決定通知を受け取る若手研究者

 

日本科学協会では、日本財団の助成事業として他からの研究助成が得難い35歳以下の若手研究者の育成を目的に1988年以降、人文・社会科学および医学を除く自然科学分野を対象にその研究に対して7600件を越える助成を実施してきた。

来賓としてあいさつする笹川陽平日本財団会長

 

大島美恵子日本科学協会会長 小野清子笹川スポーツ財団理事長

 

2014年度新たに助成を決定した321件のうち留学生および外国籍研究者は26名で、そのうち17件が中国人研究者。

黒龍江省出身で東京大学大学院・農学特定支援員の朱美華さんは、来日10年目。2人の子どもの母でもある。研究テーマは「低温流通食品の普及過程に関する日・中間比較」。もともと農業経済を専門とし、研究を続けてきた朱さんは、インターネットでこの助成制度について知り応募した。低温流通食品のインフラを本格的に推進して行こうとする中国が、日本の経験とノウハウをどのように活用するかを提言すると同時に、日本食文化の国際社会への発信と農産物輸出の更なる拡大を図るために、中国の関連情報を提供することを通じて、両国への貢献したいという。

東京大学大学院の朱美華さんと指導教官の荒木徹也准教授

 

山東省出身で東京海洋大学大学院海洋科学技術研究応用科に在籍する劉宝波さんは、動物プランクトンの環境に対する順応能力について研究する。今回の研究は新しい分野であり、結果によっては、海洋生物の分布や生態系の解明につながる大発見となる。劉さんは中学生の頃から海の生物に興味を持ち、先進的な設備や技術がある日本に憧れ2年前に来日。面接試験は東日本大震災が発生直後の2011年の4月に行われたが、来日の意志はゆるがなかった。将来的には、日本で博士号をとり、研究者として働きたいという。

東京海洋大学大学院の劉宝波さん

 

この日はほかに、前年度の助成者の中から「研究奨励賞」に選ばれた方々による「研究発表会」や、「研究者交流会」が開かれた。

 

人民中国インターネット版 2014年4月30日

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