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Panda杯全日本青年作文コンクール受賞者10人が訪中

 

田中華蓮=文

 

 

12月20日、中華人民共和国駐日本国大使館、人民中国雑誌社、日本科学協会公益財団が主催する「Panda杯全日本青年作文コンクール2014」で優秀賞に選ばれた10人が北京に降り立った。今回の中国訪問は7日間の日程で、20日から22日にかけて北京の恭王府や万里の長城(八達嶺)などの名所を巡り、中国の青年たちと交流した。

北京で迎えた誕生日

 

 
12月20日は、奇しくも受賞者の一人池部菜々子さん(20)の誕生日だった。北京到着日後の訪中団歓迎晩餐会の席では、サプライズでみんなが池部さんの誕生日を祝う一幕があった。池部さんは驚いたものの、「ありがとうございます」とうれしそうにお礼を述べていた。また、中国で誕生日に食べる習わしの長寿麺も登場し、池部さんはさっそく中国文化に触れることになった。

歓迎晩餐会の席では、王衆一『人民中国』総編集長があいさつに立ち、中国の「小馬過河(子馬河を渡る)」の故事を紹介した。これは、子馬が川を渡ろうとしてその深さを知るためにリスと牛に川の深さを尋ねるが2匹の話は全く異なっており、実際に子馬が河を渡ってみると、リスが話すほど深くなく、牛が話すほど浅くもなかったという話だ。王総編集長は、作文コンクールのテーマ「私の目に映る中国」にからめ、今回の訪中ではこの話の子馬と同じように、中国を実際に見て体験してほしいと述べた。

中国の大学生と交流

北京に降り立ったメンバーたちは、首都国際空港からバスに乗り込むと、すぐに交流に積極的な姿勢を見せた。訪中日程では中国人民大学の学生との交流が企画されていたのだが、彼らは到着後すぐに交流時間をもっと長くしてほしいと要望したのだ。

22日、中国人民大学で「中日両国における国民感情の悪化」について訪中団と中国人民大学日本語学科の学生の間で意見が交わされた。5組に分かれ行われた討論は、各組で熱のこもった話し合いになった。そこでは、言語の壁を粘り強く解消し、中国と日本に横たわる壁を乗り越えようとする両国の青年たちの意気込みが見られた。核心に迫る発言や両国の政治、経済などに対する積極的意見も多く出るなど、青年同士の交流ならではの熱気が感じられた。

櫻井毬子さん(20)は「今回の話し合いでは、日中のマスコミや教育に大きな違いがあるということで合意できました」という。学校での歴史教育では、日本では歴史事象の「原因、流れ、結果」という教え方をしており、中国では事象の「詳細」を教えており、これはマスコミに対しても同じことが言えるという意見だ。これに対して彼女は、中国側がビザの制限を緩和して両国国民がもっと気軽に行き来できるようになって欲しいと提案している。

 

中国人民大学の胡希希さん(24)はグループの話し合い後、「個人を一つのメディア」として自身が実際に見た中国または日本を家族や友人に話し、紹介して個人同士の「縁」を大切にしていくべきだと提案した。

訪中団の団長である日本科学協会の宮内孝子さんは、中国の学生と日本の学生が熱い議論を交わす姿を見て、今回の交流会ではテーマである国民感情の悪化について結論は出ないかもしれないが、こうして互いの国の意見や主張を理解することで問題が見えてくるはずと語った。

訪中団は22日午後に北京を離れ南京に向かった。南京では南京大虐殺記念館や中山陵、夫子廟などを訪れることになっており、南京暁荘学院の学生との交流も予定されている。

  

 

 

 

 

人民中国インターネット版 2014年12月24日

 

 

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