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「マンガとアニメ産業は文化伝統に根付くべきだ」と話す蔡継明教授 |
中日両国の伝統文化やポップカルチャーの最前線で活躍する文化人らが意見交換する第1回「東アジア文化伝統と現代社会フォーラム」が1月27、28の両日、北京の清華大学で開かれた。茶道や儒教文化、漫画・アニメなどについて、さまざまな角度から幅広い議論が繰り広げられた。
欧米やアジア各地で教育事業を展開する京進(京都市)と清華大学が主催した。中日両国の文化、教育、経済の交流を目的として、今後10年間にわたりフォーラムを続けるという。
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「漫画は一種の世界言語。誰も教えないのに漫画はリテラシーを自然に育てる」と話す竹宮恵子さん |
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中国のアニメ映画の発展ぶりを紹介する李剣平氏 |
27日の討論会「アニメーション産業の伝統と発展」では、茶道裏千家前家元の千玄室大宗匠、漫画家の竹宮恵子・京都精華大学学長、日本の「カワイイ」文化などを研究する桜井孝昌さん、清華大学政治経済学研究センターの蔡継明教授、李剣平・北京電影学院アニメーション学部学部長、徐濤・国際漫画中国委員会委員長らが講演。続いて日本の漫画やアニメが世界や中国の文化に与えた影響について意見を交わした。
鄧小平氏が励ました茶道交流
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「日中関係を改善するには知的交流と心情的交流が必要」と訴える千玄室大宗匠 |
フォーラムに先立つ開幕式では千大宗匠があいさつし、1978年に中国を初訪問し鄧小平氏と面会したエピソードを披露した。千大宗匠は鄧氏のためにお茶をたて、茶道について1時間も歓談した。鄧氏は「茶道は礼に始まり礼に終わる。国と国の間に何か問題が起こったとき、双方が心を落ち着かせてお茶を飲むような平和な心境で問題解決に取り組めば、さぞ事がうまく行くでしょう」と話し、「ぜひ茶道を中国で広げてください」と千大宗匠を激励したという。鄧氏の言葉を胸に、茶道を通じた中日交流事業を展開してきた千大宗匠は「日中関係は今さまざまな問題を抱えており、解決には知的交流と心情的交流が必要。その意味で今回のシンポジウムは非常に大きな意義を持っている」と指摘した。
「中日で文化創造の中心的役割を」
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「アジアで日中が中心となって経済と通貨の統合ができれば」と語る立木貞昭会長 |
京進の立木貞昭会長は中国の貴州大学や湖南大学など10校を対象にした奨学金事業について説明し、「貴州大学を訪問したとき、恵まれない家庭に生まれた優秀な学生を支援しようと思い立った。先の戦争で多くの中国人の方々に多大な迷惑と被害を与えた国民として、少しはお返ししたいという思いから立木奨学金の話をしたところ、快く設立を認めてもらった」と振り返った。また中日両国の将来について、「日中間の教育と産業の協力が進み、国際的な文化創造の飛躍に両国が中心的な役割を担えるよう願っている」と述べた。(文・写真=孫雅甜)
人民中国インターネット版 2015年1月29日
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