馬氏:いつものイメージと違う日本を
「『知日』のレイアウトについての批判は、雑誌の誕生した日から今日までずっと絶えない」とアートディレクターの馬氏は笑った。
もちろん励ましてくれる声もたくさんある。賛否両論が飛び交うなかで、馬氏は自分の趣味を第一にすることを決めた。彼は自分の日本文化に対する独特な理解と趣味を生かして、『知日』のデザインを手がけた。中国では日本といえば、「静けさ」「禅の境地」「余白」といったイメージを抱かれているが、そのようなステレオタイプの日本を捨て、渋谷、原宿、秋葉原の街頭のような視覚的刺激に満ちた要素を取り入れる誌面を作ったのだ。
今回、『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』のデザインを担当したのも馬氏だった。本の表紙デザインの原点となったのは、2013年2月号『知日・妖怪』の表紙であり、音波が広がるようなイメージからモチーフを得たという。
自分が一番納得できるデザインを問われると、馬氏は2014年5月号『知日・燃』を挙げた。表紙は炎。彼の理解では、日本人の最も独特な精神的特徴の一つは「燃える」ことだ。つまり「瞬間的な爆発でなく、極めるために静かに燃え続けるのが日本的だと思った」ために、表紙をろうそくの炎にした。
この「燃」の精神は馬氏自身があこがれた日本文化でもある。「今の中国はカラフルすぎて、人々は一つの分野に専念して極めることが難しくなっている」と彼は嘆く。
人民中国インターネット版 2015年2月27日
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