文・写真=陳蘊青
中国社会科学院日本研究所による研究成果集『日本青書(2015)』の発表会および日本情勢シンポジウムが5月13日、北京で開かれた。青書主編者の李薇・同研究所所長や中国社会科学文献出版社の周麗副編集長、青書執筆者の代表、北京や天津の研究機関の学者、中日メディア関係者ら50人余りが出席した。
『日本青書』は総論、政治安全編、対外関係編、経済社会編と日本の大事件という五つの部分から成る。2014年の日本の政治、経済、外交などの動きを分析し、日本および中日関係の発展のすう勢を予測している。
同書は昨年の中日関係に対して次のように書いた。両国は昨年11月、中日関係の処理・改善について「四つの原則的共通認識」に達し、習近平国家主席は要請に応じて安倍晋三首相と短時間の首脳会談を行い、冷え切っていた両国の政治関係は改善のチャンスを迎えた
。
また2015年の展望として次のように記載した。危機管理メカニズムの構築、東中国海問題および海洋協力が進展し、国際的な舞台を借りたハイレベルな会談が増える可能性があり、国民感情の対立は多少和らぐ見込みだ。しかし一方では、中日関係改善の基礎は依然もろく、政治関係の著しい改善にはなお不確実性があり、経済関係の全面的な改善は一定の制約を受けるだろう。また戦後70周年に際して発表される「安倍談話」は、今後の中韓などとの隣国関係に直接影響し、国際社会での日本の道義的イメージにも関わってくる。歴史の転換期に差し掛かった中日関係は現在、ハイレベルな駆け引きと協力の同時進行が平常の状態になりつつある。
このほか中日の経済貿易関係については次のように指摘した。2014年の中日経済関係は依然として後退と低迷の状況から抜け出していない。日本の対中直接投資は30年来で最大の下げ幅となり、双方の国債購入や人民元・日本円の直接取り引きも妨げられ、中日韓自由貿易協定(FTA)交渉も実質的な進展がなかった。「政冷経冷」の状況はさらにはっきりしてきた。ただし、政治関係のゆるやかな改善に伴い、2015年の2国間の貿易と投資、財政・金融分野の協力は全面的に回復する可能性が高く、中日韓FTA交渉も実質的な成果が期待できる。PM2.5対策などの環境分野の協力は大いに将来性がある。
人民中国インターネット版 2015年5月14日
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