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中国大使館が「戦後70周年・強制連行中国人殉難労働者慰霊碑」維持管理者座談会を実施

 

文・写真=吴文欽

中国駐日本大使館主催の「戦後70周年・強制連行中国人殉難労働者慰霊碑」維持管理者座談会が9月18日に行われ、程永華大使、劉少賓公使、郭燕公使と関係部門各者、孫振勇・駐札幌中国領事館総領事、何平・駐新潟中国領事館総領事、鄧偉・駐長崎中国領事館総領事のほか、福岡、大阪、名古屋の総領事館の代表が出席した。日本各地からも慰霊碑管理者、記念活動を組織する友好団体、地方自治体、宗教団体の各責任者や、市民代表者の計46人が参加した。

あいさつで程大使は「戦後70年という歴史の節目に、日本各地に建立されている中国人殉難労働者慰霊碑の責任者が一堂に会し、ともに歴史を回顧、総括することで慰霊碑を維持し、慰霊祭を行い座談会で交流することは、平和への願いに思いをはせる意味において特別な意義がある」と述べた。

程大使は続けて「日本の軍国主義によるあの侵略戦争は、中国とアジア諸国の人民に深刻な災難をもたらした。84年前の今日、日本の軍国主義は世界を震撼させた“9.18事変”(柳条湖事件)を皮切りに、中国に対する野蛮な侵略を開始した。以降15年にわたる苦しい年月において、中国人民はこれまでにない惨禍を経験し、甚大な民族的犠牲を払ってきた」と過去の歴史について語り、さらに「強制労働は日本の軍国主義侵略戦争において、中国人民に対し行われた重大な罪のうちの一つである。記録によると1942年から1945年にかけ、38935名にも及ぶ中国人労働者が強制的に日本に連行され、基本的人権もないままに苦役に従事させられ、非人道的な虐待を受けた。そのうち6830人が奴隷のように扱われた末亡くなったことは、歴史的事実として変えることはできない。日本軍国主義侵略の罪を正確に認識し向き合うことは、歴史を銘記し、断固として正義を守るものであり、日本とアジアの隣国の関係改善にとって重要な基礎であり、戦後の中日関係の再建と発展のための重要な前提である。先だって北京では中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利70周年の記念活動が行われたが、習近平国家主席は『歴史の啓発と教訓は、人類共同の精神的財産であり、当時の人びとであろうがそれ以降に生まれた人であろうが、正確な歴史観を堅持しなければならず、歴史の啓発と教訓を銘記しなければならない』と強調している」と述べた。

程大使はさらに「長期にわたって続いてきた日本国内の平和の力は、地方自治体と民衆の、侵略戦争に対する反省と中国人民に対する真摯な感情によるもので、日本を訪れた中国の僑胞と共に中国人殉難労働者の遺骨を収集、返還し、歴史関連資料の捜索と整理を行い、さらに殉難者のための慰霊碑を建造し、風雨に負けず慰霊祭を行ってきた。この真実を今後も受け継ぐことで、殉難者の魂を慰めることになるだろう。日本の民衆による自発的な慰霊祭は、日本の社会が戦争による惨禍を反省し、このような悲劇を二度と繰り返さないという正義の叫びを反映しており、殉難者の遺族と中国の民衆からも高い評価を受けている」と語った。

程大使は、慰霊碑の新設、維持及び記念活動に長期に渡って尽力した各友好団体と関係者に対して感謝の意を表し、日本の民衆、特に若い人びとに対して真実の歴史への理解を深めるため更に積極的な行動をもって中日友好に力を尽くし、歴史を銘記することで両国人民の平和共存の力となってほしいと希望を述べた。そして今後も中国駐日本大使館は引き続き積極的に参与し、日本各地で行われる中国殉難労働者慰霊祭を支持し、各友好団体と関係者に助力すると、各活動に対する大使館側の姿勢を述べた。

北海道三笠市市議会議長、日中友好協会副会長及び中国人殉難者慰霊碑の責任者である谷津邦夫氏は、中国大使館が戦後70周年という大切な年にこのような座談会を開いたことは非常に意義あることだと述べた。三笠市は慰霊碑建立後の維持と同時に、殉難者の慰霊祭を毎年行っており、当時の日本軍国主義による侵略戦争に対して反省を行い、亡くなった中国人強制労働者の魂を慰めることで、不戦の誓いを立てているという。

NPO花岡平和記念会副理事長である谷地田恒夫氏は、「歴史を忘れないために有識者から資金を集め、様々な妨害を克服して慰霊碑を建立した。花岡がある大館市は1987年以降毎年慰霊祭を行っているが、5年前には民間から資金を募り、花岡平和記念館を完成させた。現在は記念活動を行い、パンフレットを作成するなどして市民に配布し、当地と周辺地域の小中学生の記念館参観を計画することで、次世代へ花岡事件の真相を伝えているが、これがのちの世代にも語り継がれることを願っている」と将来への希望を語った。

 

人民中国インターネット版 2015年9月20日

 

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