孫塋双=文、写真
|
人民大学で行われた交流討論会に参加した中日両国の青年たち |
昨年に続き、在日本中国大使館、人民中国雑誌社、日本科学協会の主催で行われた「Panda杯全日本青年作文コンクール2015」には、日本各界の青年から積極的な作品応募があった。そして、厳正なる審査の結果、優秀賞と入賞に選ばれた15人の青年が、12月19日から25日まで7日間の日程での中国訪問に招待された。一行は北京や山東省曲阜などを交流訪問することになっている。
12月20日、青年訪問団一行は訪問日程を開始した。午前には中国人民大学を訪問。ここで北京大学、清華大学、中国人民大学から集まった21人の大学生と交流した。両国の青年は5グループに分かれて、「中日国民感情とメディアの責任」「中日観光とこれを基礎とした相互理解」「中日青年の職業観と将来の人生設計」などのテーマをめぐり、活発な討論を行った。
訪問団の一人、露木春那さん(24)は「両国国民は、現在は主にインターネットや新聞などによって相手国を理解していますが、両国メディアの報道は大部分が国家の立場に立つもので、いずれも客観性に欠ける点があります」と述べた。北京大学の張雪禾さん(大学院1年)は「日本の大学はより整った職業教育をしていますが、現在の就職状況は明るくありません。中国政府は現在青年の起業を奨励しており、大学卒業生の発展状況は比較的良好ですが、大学での適切な社会職業教育が不足しています」と話した。
1時間という短い時間ではあったが、誰もが言葉の壁や文化の違いを乗り越え、積極的に交流活動に参加する中で相互理解を深めた。多くの参加者がこうした活動に大きな意義を見いだし、互いにこれまで理解していなかったさまざまな面の状況について理解を深め、機会があればまたこうした活動に参加したいと話していた。
この日の午後、一行は「燕京八景」の一つで「盧溝暁月」とたたえられる北京の名所・盧溝橋を観光し、盧溝橋のそばにある中国人民抗日戦争記念館を参観した。村上恵理さん(23 創価大学)は、参観の後で「驚かされたのは、戦争中の子どもの写真で、とてもかわいそうで、つらく思い、心が重くなりました」と話していた。また、讃井知さん(22 筑波大学大学院)は、参観者のメッセージ・ノートに、日本語で「中国から見た1930年代からの歴史は大変勉強になりました。中国も日本も過去を忘れず、互いに同じ方向を向いて歩いていけたらと思います」と記していた。
北京市内で行われた歓迎式では、人民中国雑誌社の陳文戈社長があいさつに立ち、日本科学協会の大きな支援と、日本の青年たちの積極的なコンクールへの参加に感謝の意を表し、このたびの活動が両国青年の相互交流を促進し、相互理解を深めることを望むと話した。王衆一総編集長はこのたびの交流活動を「読」「喝(飲む)」「走(歩く)」の3文字で概括した。その意味は「応募の佳作を読み、美酒を飲んで交流し、中国を漫歩する」で、青年たちが今回の訪中から大きな収穫を得てほしいという願いが込められている。
一行はこの後、北京の名所旧跡を観光し、首都の街なかの風情を体験し、さらに高速鉄道に乗車して山東省の曲阜に向かい、孔子と一族の墓所である孔林や孔子廟を参観、曲阜師範大学の学生との交流も行う予定になっている。
|