文・写真=楊振生
日常的な事物の中から生活の美を探究することが、日本の陶芸家・安藤雅信氏のライフワークだ。2016年3月19日、「ギャルリももぐさ」のオーナー安藤氏の新著『美と生活』の出版記念サイン会が北京市朝陽区草場地の「茶家十職」で開催された。会場には安藤氏の食器、コーヒーカップや皿などの作品が展示され、また同氏と来場者との活発な交流で大いに盛り上がった。
安藤氏は長年茶道を学び、茶道に対する造詣が深く、生活美学にも精通している。『美と生活』では、妻と共同で創設した生活美学空間「ギャルリももぐさ」を切り口として、建物と物、人の間の微妙な関係を探究し、同時に「日常生活に素直に向き合う」「使用者の角度から創作活動を展開する」という生活美学と工芸概念を提唱している。
安藤氏は次のように紹介している。前に北京で開催されていた展覧会は主に茶道具を主体とし、日本での展示の中心はコーヒーカップや皿といった日用品だった。ここ3、4年、彼は自分の作品が海外でますます関心を集めていることを発見して、その理由を考えてきた。
そこで思い当ったのは以下の点だ。1970~80年代から90年代にかけて、米国、中国のベビーブームに当たり、出生人口が特に多く、この年代に生まれた人々の好みはかなり似ており、車、家などの大きなものの外に、彼らが関心を持っているものは身の回りの小物―日常生活でよく使われるものであるということが、彼の作品が世界的に次第に受け入れられてきた理由なのだ。
安藤氏は今、生活工芸に関心を持ち、工芸の概念が一人一人の個人生活に溶け込むことを願っている。とりわけ、生活器具が各人の生活の中で使い勝手がよく、存在感が高まることを希望している。こうすることによって、環境保護にも役立ち、資源の有効利用にも効果がある、と考えている。
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