馬勒別墅（写真・蔡青山）。上海市優秀歴史建築、市級文物保護単位に認定されており、現在は「モラーヴィラホテル」として、当時の雰囲気をそのままに国内外の客を迎えている

１月18日から２月12日まで、東京の日中友好会館美術館で「上海歴史建築巡り写真展」が行われている。

上海は浦東に建ち並ぶ超先進的高層ビルと、川を挟んで向かい合う外灘（バンド）に代表される、20世紀初頭の西洋建築のコントラストが魅力の国際都市。本展では上海市歴史博物館が所蔵する写真から静安、長寧、普陀各区の歴史建築を厳選し、60点が展示された。

１月18日に行われた開幕式では、陳特明・上海市歴史博物館弁公室主任や荒井克之・日中友好会館理事長など主催者の出席をはじめ、陳諍・中華人民共和国駐日本国大使館文化部参事官など中日の来賓が参加し、テープカットを行った。

会場では競馬王・モラーの娘が夢で見た屋敷を再現したと言われる「馬勒別墅」（1936年築）をはじめ、中国の仏教寺にも数少ない元代建造の「真如寺」、外観が西洋式バロック風レンガ造りでありながら、内部は完全に中国式の「南林師範学校旧跡」など、上海の魅力を存分にたたえた歴史的建造物の写真が来館者を迎えた。開幕式後のギャラリートークでは上海市歴史博物館員による作品解説が行われたほか、春節前日の１月27日に行われるミュージアムミニコンサート、中国グッズが当たる毎日の抽選会など、来場者にとって魅力的な関連イベントも多数開催予定だ。

玉仏寺（写真・陶志軍）。清末の光緒８年（1882年）に創建された、上海最大の禅宗寺院