写真・資料提供=中国茶文化協会
中国茶と茶文化を伝えるNPO法人中国茶文化協会の定期イベント、「中国茶フォーラム」が2月5日に東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。今回は「国産烏龍茶・紅茶の評茶会」と「春節茶会」の2部構成で実施された。
第1部の評茶会では、最近生産量が増えてきている日本産の烏龍茶と紅茶を、中国茶を愛飲する参加者と共に比較し、それぞれの評価を行った。
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各茶葉の説明に、真剣にメモを取る参加者たち |
烏龍茶の評茶。色や香りから茶葉の品質を評価する |
烏龍茶は軽やかで花のような香りが特徴のお茶が6種類ほど用意された。
最も評価が高かったのは台湾烏龍茶2種で、本場の壁の厚さを感じる結果となったが、現地へ何度も赴き、茶の作り方を学んだという猿島烏龍茶(茨城県産)が1票差で肉薄。さらに日本ならではの香りを有したお茶を評価する声もあり、国産烏龍茶も確実に進歩していると感じられる結果となった。
紅茶6種の評価では、浙江省杭州市産の九曲紅梅が最高評価を得た。有名な中国緑茶の龍井茶と同じ樹の葉から作られる紅茶が最高評価となったことから、日本のお茶の樹からも、同じように優れた品質のお茶が作れるのではないか、との声が上がり、茶の製法の交流が日中間で活発になれば、新しい可能性が生まれそうという期待が持たれた。
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紅茶の評茶 |
茶席で味わう参加者たち |
第2部の春節茶会では、協会所属の中国茶講師2名が、春節にちなんだ2つの中国茶席を設けられた。
徳本佳苗さんの席では、日本産の香り高いお茶・香寿を中国茶藝のスタイルで提供。微かに葡萄のような香りが感じられるお茶で、参加者が珍しい香りに引き込まれる様子が見られた。
西村眞由美さんの席では、福建省武夷山の烏龍茶・水金亀が中国茶藝で提供された。当日使用の茶葉は10年間寝かせたもので、茶藝と同時に、中国では新茶の珍重のみならず、寝かせたお茶を珍重する茶文化があることが紹介された。
中国の客家に伝わる伝統的なお茶である「擂茶」づくりには、参加者も一緒に挑戦した。
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擂茶の材料 |
擂茶は、すりこぎでゴマ、かぼちゃの種などの木の実と茶をすってペースト状にしたあと、お湯で溶き、ポン菓子や緑豆などを入れた碗に注いで合わたもので、お汁粉のような感覚で食べる。栄養価が高く、客家の人々の生活の知恵が詰まった擂茶には、参加者も興味津々で楽しく製作に参加していた。
ナッツ類と茶葉をすりこぎでよくすり、ペースト状になったらお湯で溶く |
碗にはあらかじめその他の材料を入れておき、お湯で溶いたものを注げば、客家の知恵が凝縮された擂茶の完成 |
中国茶フォーラムは年に2回ほど開催している。今回の参加者たちも多様な中国の茶文化に触れることで、中国茶に対する認識を新たにした様子だった。
人民中国インターネット版 2017年2月22日
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