3月11日、東京都日中友好協会は中日国交正常化45周年企画の一環として、「日中友好皇居マラソン大会」と講演会「孫文と梅屋庄吉」を同時開催した。
東日本大震災のチャリティー企画として行われた皇居マラソンは体力に合わせて1周コース、2周コースに分かれ、参加者が100人を超える盛況となった。うち8割が中国人で、在日マラソン愛好家同士のネットワークから3.11チャリティー企画であることを知り、趣旨に賛同して参加した人も多かったという。
参加したある中国人男性は、「出身国が違ってもスポーツは世界共通。今後はイベント参加だけでなく、企画側にも参加したい」と意気込みを語った。また、日本人参加者からは「3.11に中国の方々と一緒に走ったのはいい経験になった」、「完走したことで自然と仲間意識が芽生え、面識のない人とも『お疲れ様、辛苦了』と会話が弾んだ」との声が聞かれるなどの好評を得た。
マラソン大会の表彰式兼昼食会のあとは、皇居に近い日比谷パークセンターで、梅屋庄吉のひ孫である小坂文乃さんの講演「孫文と梅屋庄吉」が行われた。
小坂さんは日比谷公園内にある老舗洋食店「松本楼」の代表取締役副社長で、曽祖父の梅屋庄吉の研究者としても活躍している。孫文と梅屋庄吉の生い立ちと二人の出会に始まり、孫文の革命運動を梅屋庄吉がどのように支えたのか、孫文・宋慶齢夫妻と梅屋家との関わりなどを、当時の手紙や写真等と共に紹介した。小坂さんによると2人の共通点は、若い頃に自国を離れ、西洋に蝕まれつつあるアジアを海外から眺め、アジアの興隆に対する思いが芽生えたというものであり、それが生涯にわたる友情の礎となったという。話題は孫文と宋慶齢夫人のロマンスにも及び、宋慶齢が演奏を楽しんだというピアノや梅屋庄吉の写真など、松本楼に所蔵される貴重な品々も展示された。午前中のマラソンと講演会の参加費の一部は、福島県災害対策本部に寄付された。
この企画は日中国交正常化45周年記念イベント「プロジェクト45」の一環。主催団体の東京都日中友好協会は、今後も多くの関連行事を実施予定という。詳しくは公式ホームページまで。
http://www.jcfa-tyo.net/
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スタートを前にスタッフから説明を受ける
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当日は好天に恵まれ、絶好のマラソン日和。完走者には「完走記録書」が贈られた
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「梅屋庄吉と孫文」では、梅屋のひ孫である小坂文乃さんが講演を行った
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松本楼には2人に関する貴重な資料が多く残されている。当日はその一部と写真が展示された
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曽祖父・梅屋庄吉を研究している小坂さんの著作による関連書籍
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人民中国インターネット版 2017年3月22日
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