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中日の伝統芸能が新境地に挑戦

日本の能楽と中国の京劇が夢のコラボレーション

 

資料・写真提供=一般社団法人 日本京劇振興協会

 

 

 日本の伝統芸能である能楽と中国の伝統芸能の京劇がコラボレーションした京劇の名演目である「覇王別姫」が、5月13日に東京の成城ホールで上演される。

 

騒乱の中、自害して果てた虞姫と項羽の魂は巡り合うこともなく、永遠に冥府をさまよう(写真=井田裕明)
 

能楽は「面(おもて)」と呼ばれる面をつけ、ゆったりとした動きと荘厳な声色で神秘的な「幽玄」の空間を作り出す『静』の芸能であるのに対し、中国の京劇は、派手なメークを施してきらびやかな衣装をまとい、銅鑼が鳴り響く中激しく立ち回る『動』の芸能として知られる。

ユネスコ無形文化遺産に登録されたアジアの伝統芸でありながら、性質の全く異なる両者の融合という面白い試みの舞台に、新潮劇院主宰の張春祥氏、能楽師の西村孝雄氏、京劇俳優の張桂琴氏が挑戦。それぞれの持ち味を生かしながら、えも言われぬ不思議な空間をステージに創り上げる。

 

2人の強い思いはいつしか当時の情景をまざまざと浮かび上がらせる(写真=木村武司)

 

演目の「覇王別姫」は、中華の覇権を争った「項羽と劉邦」の物語から「四面楚歌」の故事で有名な、項羽と后の虞姫の別れを描いた名演目で、京劇の女形の名優である梅蘭芳のためにつくられた。映画監督の陳凱歌が作品「さらばわが愛、覇王別姫」のモチーフとして採用したことで、一躍有名になった。今回の公演は台本を再構成し、新しい表現を創り出している。上演前には、中日伝統芸能の様式の違いや共通点、見どころなどを、明治大学教授で京劇研究の第一人者である加藤徹氏がレクチャーする。

 

うたた寝をする虞姫の傍らにたたずむ能虞姫(写真=井田裕明)

虞姫と能虞姫によるコラボレーションの舞(写真=井田裕明)

 

 

 

○覇王別姫(はおうべっき)~能楽と京劇 日中ユネスコ無形文化遺産の融合~

 

■  2017年5月13日(土) 開場 17:30 / 開演 18:00  ※全席指定、字幕付き

    会場:成城ホール 世田谷区成城6-2-1(小田急線「成城学園前」徒歩4分)

    主催:新潮劇院/一般財団法人日本京劇振興協会 

  共催:成城ホール(株式会社アクティオ)

    後援:中国大使館文化部/世田谷区

    [出演] 項羽:張春祥 虞姫(能):西村高夫 虞姫(京劇):張桂琴

    演出:張春祥 

    [チケット] 一般:4,300円 / 世田谷区民:3,800円 / 学生:1,500円

    [チケット取扱] ・新潮劇院ホームページ http://www.shincyo.com/

                    ・イープラス http://eplus.jp

                    ・成城ホール事務局

                    ・担当者直通 080-4478-7009(衛藤)/ ticket@shincyo.com

 

 

 

 

人民中国インターネット版  2017年4月6日

 

 

 

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