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現代作家による景徳鎮の名作を東京で公開

 

作品・作家画像提供=日中友好会館

 

  景徳鎮の現代の名工による陶磁器の作品約100点を展示する「薪火(まきび)の相伝 景徳鎮現代陶磁作品展」が6月15日から東京の日中友好会館美術館で行われている。7月5日まで。  

江西省にある景徳鎮は、白磁に藍で絵付けを施す染め付けを代表とする陶磁器の名品を数多く生み出し、世界にその名を知られている。脈々と伝わる伝統技術を受け継ぎつつ、自らの芸術作品として昇華させた名工は現代になっても輩出されているが、今回の展示では日本の人間国宝に当たる「中国工芸美術大師」で景徳鎮陶磁器の第一人者の秦錫麟とその弟子である邱含、陳敏の3氏の作品が展示されている。

 

秦錫麟 1942年江西省南昌市生まれ。スケールの大きな筆使いが作品の特徴

 

秦錫麟作「山花爛漫」

 

邱含 

1961年江西省撫州市生まれ。山水画を得意とし、文人画のような作風が特徴

邱含作「山泉幽静」

 

陳敏

1962年江西省鷹澤市生まれ。嬰戯図(子供が遊ぶ絵)を得意とし、穏やかな作風が特徴

陳敏作「紅葉と子供」

 

 

6月15日には同館で開幕式が行われ、陳諍中国駐日本大使館文化参事官や海江田万里元衆議院議員などの来賓が、出展者の3名と共にテープカットを行った。

 

 

日本側主催者として登壇した鄭祥林日中友好会館中国代表理事は、「秦錫麟先生の作品は、1998年に中国の国家主席が訪日した際に天皇陛下へ贈られている。この展示をきっかけに、今後は日本の陶磁芸術や文化を中国に広めるべく、日本の陶磁器を中国に紹介することも考えている」と、陶磁器を通じた相互理解の計画を語った。また、中国側主催者代表で出展者の一人である秦錫麟氏は「景徳鎮現代陶磁の特徴である斬新な作風と新しい創作芸術を楽しんでもらいたい。この展示による日中陶磁芸術の交流の前進と友好事業のさらなる発展を確信している」と希望を述べた。

 

秦錫麟氏

 

海江田万里氏は「景徳鎮は元々昌南鎮と呼ばれていたが、北宋に元号である“景徳”を取って改名された。景徳鎮の陶磁器の中でも大きな特徴を持つ染付は、ドイツのマイセンを代表する『マイセンブルー』にも影響を与えた。このことは、景徳鎮が国家のみならず世界にも大きく貢献していたことを表わしているだろう」と、歴史の側面から見た景徳鎮の存在感を表現した。

 

海江田万里氏

 

開幕式後の会場ではオープニングイベントとして、邱含、陳敏の両氏による絵付けの実演が行われた。来場者からは「絵付けに使う顔料は?」「モチーフのヒントになるものは?」などの質問が次々と寄せられ、作家とじかに交流する恰好の場となった。会期中は講演会やミュージアムコンサートなどの催しも行われる予定となっている。

 

名工による絵付けを間近に見られるとあって、来場者の表情も真剣そのもの

 

開幕式当日、会場は多くの来場者で賑わい、現代陶磁器作品への関心の高さを物語っていた

 

 

 

●日中国交正常化45周年記念 薪火の相伝−景徳鎮現代陶磁作品展

会期 2017年6月15日〜7月5日

場所 日中友好会館美術館

開館時間 10:00〜17:00

休館日 毎週月曜日

入場料 無料

 

●講演会・茶話会 「中国磁史について」

日時 6月22日 14:00〜16:30

場所 日中友好会館地下1階大ホール

講師 楊小語

* 定員50名、事前申込制。参加費500円

 

●ミュージアムミニコンサート

日時 6月28日 14:00〜(約40分)

場所 日中友好会館美術館

演奏 張林(揚琴)

* 座席50席を希望の場合は事前申込。立ち見は申し込み不要

 

問い合わせ 日中友好会館 文化事業部

電話 03-3815-5085

e-mail bunka@jcfc.or.jp

 

 

 

人民中国インターネット版  2017年6月21日

 

 

 

 

 

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