宋の時代とどこか似ている

 

主役は内需へ

 

北京の百貨店の化粧品売場はいつも女性客でにぎわっている

 さて、人民の消費はどうでしょうか。GDPの中身を投資、輸出、消費と分けてみると、これまで消費は脇役でした。外需から内需主導の経済運営に舵を切ったということは消費、突き詰めれば、人民の懐を大いに当てにしようということにほかなりません。

 

 その人民の懐ですが、一人当たりGDP(2006年) についてみると、北京は6000ドル、天津5000ドル、上海7000ドル、広東3000ドルで、全国では2000ドル超(予測)と、順調に伸びており、一人当たりの可処分所得も増えています。

 

 消費について言えば、消費の主導権を握っている女性の場合を例にとると、2006年では消費額の多いのは、都市部では衣類、美容、整形・ダイエットの順といわれます(注4)。農村では日用品、医療費、衣類、飲食で、2007年に購入したいとする上位商品は衣類、携帯電話、化粧品、宝飾品となっており、「美」への消費が高いことがわかります。

 

 男女の別を問わず、マイホーム、マイカー(昨年末時点で2000万台を突破)、国内外観光(昨年、海外旅行した中国人は3400万人)など、大口消費も盛んです。

 

 夜には、飲食、カラオケ、ネットカフェ、映画・演劇鑑賞、公園などでのソーシャル・ダンスや合唱など、人々がレジャーや娯楽で生活をエンジョイしているところなどは、宋の都の開放感に似ているのではないでしょうか。

 

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