墨翟(紀元前約468~376)は魯国から斉国に行く途中、向こうからやってくる易者にばったり出会った。その易者は北の方角は不吉ですよといって、墨翟と議論を始めた。だが、墨翟が最後に、「おまえさんがわしに反論するのは、卵を石にぶつけるようなものですよ。世の中ぜんぶの卵をあつめて石にぶつけたところで、石はやっぱり石ですよ。ちっともたえませんね」とダメをおした。後世の人は、彼の言葉から「卵を以って石を撃つ」の成語をつくって、身のほど知らず、弱者が強者を攻撃するのは、自分を滅ぼすようなものだ、というたとえ話に使っている。
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