青くかがやく青島

 

青島は山を背に、海岸線に沿って発展し、現在のような都市の輪郭を形成してきた

 

 青島は悠久の歴史を有し、優れた文化を誇る「歴史文化の名城」である。長い海岸線が走り、山脈が連綿と続く。水域は果てしなく広く、島々がまるで星のように海を飾る。窓を開ければ、山々の眺め、海辺の景色、海のすべてが一望できる。この海辺こそが、青島の都市のシンボルでありイメージである。

 

 中国の他の都市と異なり、青島には南北向きの建物が非常に少ない。ほとんどの建物は山に寄りかかるように海に沿って建てられ、山の美しいアクセサリーとなっている。

 

 よく見ると、青島の建物の正面は基本的に東南を向き、東北や西北向きの妻壁が高くなっている。これは、毎年主に東南の風や西北の風が吹くためである。東南の風は海洋性気候の爽やかさとともに、豊かな降雨を青島にもたらす。そのため、夏は湿り気が多いこともよく知られている。西北の風は内陸の寒い風や雪を運んでくるが、山々のおかげで、その影響はかなり弱まる。

 

各地からの観光客を引きつける夏の青島の海辺
海は愛し合う新郎新婦たちの幸せな時間を見守っている

 

 1840年代から1950年代にかけて建てられた建物には、浮き彫りが施されている。その多くが海をイメージする「波紋」の装飾である。たとえば、ドイツ膠澳(青島の古称)総督官邸旧跡の外壁に、波紋の模様が見られる。旧跡の東側にある花崗岩の妻壁には、縄をかける杭、錨のチェーンやフィッシャーマン・ノットの模様も残っている。青島の人々は建築に、海の波、船、灯台、舷窓などのイメージを融合させている。このような文化的特徴は、海からの賜りものであり、青島の人々と海と調和の取れた生活の反映でもある。

 

  青島の海は愛情豊かで、ロマンチックで、趣があり、魅力を備えている。果てしなく広いが、決して無愛想ではない。人々はこの海の前にいると気持ちが大きくなり、次から次へとさまざまな思いを心に浮かべる。青島の人々にとって、海は都市のよりどころと憧れの存在であり、癒される空間でもある。波やイルミネーションの光りの中、都市のリズムにあわせて呼吸し、われわれにその偉大さと気勢を感じさせる。



  青島の海はいつでも天然の色をしているわけではなく、季節の移ろいとともに、神秘的な色彩へと変化しながら、四季おりおりの夢をもたらしてくれる。



  青島の人々の心の中では、海は温厚で、寛容で、度量が大きく、客好きで、親切で、何もかもを受け入れてくれるイメージなのである。地理上の青島は、細長い半島で、三方を海に抱かれている。山、海、緑の木々、青空に恵まれた青島の人々は自分たちが世界の果てにいるかのように、また世界の中心で生活しているように感じている。青く輝く海辺は、青島の美しい輪郭線であると同時に、この都市の自然の脈でもある。  (文=王鐸 写真=張岩)

 

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