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暮しに入り込んだ天気予報

 

自然への関心が高まる

 

農民たちに気象について教える気象局の職員

人々はいま、自宅近辺だけでなく、より広い範囲の天気に関心を持つようになっている。気象に関する知識も増えた。「対流雲」「亜熱帯高気圧」などの専門用語をよく耳にするようになったため、その意味もきちんと理解している。そのため、天気予報の内容も、自然災害や気候災害に関する予報や注意が増えた。画面上の中国地図を見ながら、洪水や森林火災、土石流、地震、台風が発生した地域の被災者たちの生活状況や自然環境を懸念し、たくさんの人が胸を痛める。環境保護の問題は、このように直接観察されることによって、多くの人の共感を呼んだ。

 

その一方、「最近、自然災害が多くなったような気がする。どうして、これまで聞いたことがない天気現象がしょっちゅう発生するのか」といった疑問の声も上がっている。楊貴名さんはこれに対して、次のように説明する。「これまでは自然災害に関する情報があまりなかった。30年前は台風や寒波が到来したときしかラジオで伝えなかった。ほかの自然災害に関するニュースは非常に少なかったのです。たとえあっても、当時はラジオでさえ贅沢品だったため、伝わる範囲は限られていました。しかし今は、テレビやインターネット、携帯電話などが発展し、人々の注目を引くニュースはメディアの網から逃れることができない。豪雨、洪水、落雷、異常高温、地すべりなどの災害は、メディアを通してあっという間に広がり、人々に深い印象を与えているのです」

 

災害に関する情報がすばやく伝わることは、災害の予報や予防にも大きな役割を果たす。森林や草原の火災の予報、地すべりや土石流の頻発地域に対する注意、台風の上陸や高温警報などのおかげで、無数の人々が災害から身を守っている。

 

そのため、南方のある地域の地元政府は、洪水が発生すると、山津波が起きやすい地にある村の責任者やダムの管理者に必ず携帯電話を持ち歩くよう求めている。また、気象部門に対しては、新しい気象情報が入ったらすぐに、ショートメールで村に直接送るよう指示する。そうすることによって、生命や財産の損失を最低限におさえようとしているのだ。

 

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