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変わってきた牛乳観

 

食卓に欠かせない

 

政府が無料で支給した牛乳を飲む小学生
 9歳の娘がいる呂厚艶さん(36歳)は、毎朝早く起き、朝食を準備する。娘の劉昕ちゃんは小学校3年生。背が高くほっそりとしていて、バスケットボールや走り高跳びが大好きだ。「娘は今、成長期ですし、飛んだり跳ねたりするスポーツが大好きなので、しっかり栄養を取らせなければ」と呂さんは話す。

 

呂さんが劉昕ちゃんのために準備する朝食は、牛乳、ジャムを添えたパンまたはケーキ、ゆで卵。1歳で乳離れしてから、牛乳が栄養を補給するための重要な食品となり、毎日必ず飲ませる。「以前は袋入りの牛乳を飲んでいましたが、品質保持期限が二日間だったため、ほとんど毎日買いに行かなければならず、大変でした。でも今は、無菌充填包装の牛乳が出回るようになり、45日から八カ月保存できます。だから、一度に買って、少しずつ飲んでいます」

 

それでも、牛乳を買うときにはいろいろと頭を悩ます。スーパーの牛乳・乳製品コーナーには、豊富な種類の商品が置かれていて、いちいち目を通すことができないほどだ。普通の牛乳でも、メーカーや種類が異なる多くの商品があり、パッケージもさまざま。

 

それぞれ特徴が明記されていて、体に良い成分を増やしたというものもあれば、カルシウムを補うというのもある。また、汚染のない地域で育った牛から採れた牛乳であることを強調した商品もある。

 

このほか、粉ミルクやヨーグルト、フルーツやオートミール風味の乳飲料、それに各種のチーズやバターなどの乳製品もある。

 

牛乳・乳製品であればどれでも栄養価が高いので、呂さんは毎回これを買うとは決めていないそうだ。その時々で形や味を変えれば、食卓もより豊かになり、劉昕ちゃんも喜ぶからだ。

 

劉昕ちゃんのように1990年代以降に生まれた子どもは、牛乳が足りないと感じたことはない。とても幸せなことだ。

 

改革・開放以前、牛乳の供給量は限られていて、80年代初めまで、ずっと不足がちだった。子どもを生んだ家庭だけが、病院が発行した出生証をもとに、わずかばかりの牛乳を予約することができた。

 

しかし、80年代中ごろになると、情況は少しずつ変化する。都市のアパートの入り口には、各家庭の牛乳箱が設置され、毎朝早く牛乳が配達されるようになった。牛乳を頼むのは、ほとんどが乳幼児やお年寄りがいる家庭だった。

 

その後、供給量が十分になると、牛乳を頼む家庭が増加。牛乳はアパートの決められた場所で配られるようになったため、各家庭は毎朝早くそこへ取りに行った。

 

毎朝、娘の劉昕ちゃんに牛乳を飲ませる呂厚艶さん
90年代以降は、スーパーで袋入りまたはビン入りの牛乳が買えるようになった。甘く味付けするなど加工された牛乳も出てきた。値段も高くなかったため、多くの人が買うようになった。

 

呂さんは、河南省開封市の近くにある農村の生まれだ。「子どものころ、農村で飲んでいた牛乳は量り売りのものでした。現地の酪農家が自分で加工した牛乳を大きな樽に入れて運んできます。村人たちは容器を持って買いに行ったのです。当時、牛乳を飲めるのは経済条件が良い家庭だけでした」と当時を振り返る。しかし今では、呂さんの両親も都市の人々と同じように、店で買った袋入りまたは紙パック入りの牛乳を毎朝飲んでいるという。

 

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