シンボルマーク
2003年8月3日20時30分、中国の首都・北京の天壇公園にある祈年殿の前で、第29回オリンピックのシンボルマークを全世界に発表する儀式が挙行された。
中国の指導者と国際オリンピック委員会の役員は、紫檀の箱を開けて、中からホータン産の美しい玉に丹精こめて刻まれた中国の「印鑑」――「北京オリンピックシンボルマークの宝の印鑑」を取り出し、赤い印肉をたっぷり付けて、この印鑑を中国の画仙紙の上に、丁重に印を押したのだった。
これが2008年オリンピックのシンボルマークである。これは「中国の印章 舞い踊る北京」(「中国印」)と名づけられた。印章の図案は「京」という字に似ているが、「京」という字そのものでもない。洒脱、飄々として力に満ち溢れ、「舞い踊る北京」を寓意している。それは中国の精神、堂々とした風格、気品に満ちた中国の漢文化の符号であり、開放的で、活力に満ち溢れ、前途洋々たる中国の姿を象徴している。
数千年の歴史を持つ中国の印鑑は本来、一種の承諾を意味し、また誠実と信用、個性と権利の象徴でもある。この印鑑を押すことは、すなわち13億の中国人民が、中国の最も厳かで、最も神聖な儀礼にのっとり、2008年の北京オリンピックを、史上、最もすばらしいオリンピックにすると再び全世界に厳粛に誓約したことを意味している。
2002年7月2日に開かれた北京2008年オリンピックのデザイン大会から、シンボルマークの募集が締め切られた2002年10月8日までに、北京オリンピック組織委員会は全部で1985点の作品を受理した。その内訳は、中国(香港・澳門と台湾を含む)からのものが1763点、外国からのものが222点あった。
2002年11月3日、国内外の専門家たちは、選ばれた102点の作品について再びの投票を行い、10人の作品を選んだ。獲得した総点数が第一位だったのは1498号の作品で、それが今回、第29回オリンピックのシンボルマークになった「中国印」の原型である。作者は、北京始創国際企画有限公司である。
同公司の張武理事長によると、最初、デザインを三つの方面に分けて作業をした。一つは天壇や長城などの北京の地域的なもの、もう一つは中国の哲学的なもの、第三には印鑑や「中国結」(紐などを編んでつくった縁起物)、芝居の役者の隈取りなどの民間文化的なものという三つの方面である。その結果、全部で100点以上の案ができあがり、その中から6点を選んで北京オリンピック組織委員会に提出した。
当選した作品は3カ月間かけて設計したもので、当選後さらに4カ月間もかけてこれを修正し、やっと現在のシンボルマークとなったという。
張理事長は「シンボルマークの『京』という字の形をした人は、頭が人で体は蛇ように見えるが、『人頭蛇身』は中国古代の英雄の象徴である。このマークを通して中国のオリンピック選手たちが2008年に北京で優れた成績を勝ち取ることができるよう祈念している」と言っている。
2008年の北京オリンピックは、中国が初めて挙行するオリンピック大会である。詩情にとんだ中国や歴史が古くしかも若々しい北京は、オリンピック精神に照らされて、きっと魅力のある輝きを溢れさせることだろう。シンボルマークの中に描かれている開かれた両腕は、中国人民の友好と喜びと熱情を表現していると同時に、全世界人民を迎え、団結するオリンピックの力を表している。
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