「無固定期限労働契約」は「鉄飯碗」ではない
全国人民代表大会(全人代)法制工作委員会の信春鷹・副主任は11日、社会的に誤解が見られる労働契約法の「無固定期限労働契約」について、これは「鉄飯碗」(「鉄の飯茶碗」。かつて国営企業等に見られた、解雇され食いはぐれる心配のない雇用待遇)ではないと強調。「わが国は社会主義市場経済体制を実行しており、雇用制度上、『鉄飯椀』の復活は不可能だ」と指摘した。
現在開催中の両会(全人代と全国政協)でも、労働契約法は焦点の1つ。信副主任は「ある法律について異なる見解や理解があるのは正常なこと。労働関係を調整する労働契約法に対し、依って立つ視点の違いから異なる解釈が生じるのも仕方がない」と話す。
こうした解釈の中でも「無固定期限労働契約」は焦点中の焦点。企業側には、無固定期限労働契約の締結は企業の雇用自主権を侵害し、人材の流動を停滞させ、新たな「鉄飯碗」の形成につながるとの声も聞かれる。
これについて信副主任は「労働契約法の誤読だ。法理面から説明すると、無固定期限労働契約は決して期限がないという意味ではなく、明確な終了時期をあらかじめ定めないということだ。こうした契約は雇用側の負担にはならない。法定の条件を満たせば、雇用側は労働者との労働関係を解消することができる」と指摘する。
無固定期限労働契約とは、雇用側と労働者が終了時期を確定しない労働契約を交わすことを指す。この種の労働契約は多くの国で一般化している。無固定期限労働契約は多くの市場経済国で普通に採用されており、期限を定めた労働契約の方がかえって特殊だ。
信副主任は「労働契約法は労働者側の合法権益とともに、企業側の雇用自主権その他の合法権益を守り、労働関係のバランスを図り、労働者側と企業側のウィンウィンを促進する法律だ」と指摘する。
「人民網日本語版」2008年3月12日