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定年後の人生を自治会活動に

 

「家属委員会」の主任 孫徳楣さん

 

孫徳楣さん

他人の世話を焼いたり、雑務をこなすことを厭わない孫徳楣さん(75歳)は定年後、団地の家属委員会の主任に選ばれた。それから毎日、団地内のこまごまとしたことに忙しい。

 

家属委員会というのは、家主たちによって自発的に結成された団地内の組織。住民に対して無償のサービスをおこなう。団地内の衛生状況をチェックしたり、高齢者活動センターで書画や編み物の教室を開催したり、隣人間の揉め事を処理したりと仕事はたくさんある。

 

孫さんは大半の時間を家属委員会の仕事に費やさなければならないため、家事は夫が引き受けてくれる。孫さんがするのは、1週間に2回、市場へ野菜を買いに行くことぐらいだ。

 

団地には200世帯以上が暮らすが、ほとんどの家庭に挨拶に行っているという。そのため、団地内に孫さんを知らない人はおらず、みんなから信頼されている。

 

ある日、一人暮らしの李さんが孫娘に住宅を譲りたいと考えた。しかしどうすればいいのか分からない。家族に話して反対されるのを恐れた李さんは、このことを孫さんに相談した。そして身分証や不動産証明書などをすべて託した。孫さんは李さんに、相続問題について調べることを約束した。

 

もう75歳の孫さんだが、「隣の団地に住む韓さんは80を超えているのに、まだ家属委員会でがんばっていますよ。すべて自分が好きでやっていることですから」と笑い、この仕事にまだまだ意欲を見せている。(高原=文 楊振生=写真)

 

持ち物

 

バッグ

定年退職証。これを持っていると、公園の入園料やバスの切符が割引になる ノート。家属委員会の仕事のスケジュールを記録している 家庭訪問の際に利用する記録表


仕事環境

 

家属委員会の事務所および高齢者活動センター。壁には高齢者の作品が飾ってある 家属委員会のメンバー。すでに定年退職した人たちばかりだ


 

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