共に迎える中日関係の「暖かい春」

 

中国の胡錦濤国家主席が今月6日から10日まで日本を公式訪問する。中国の国家元首として10年ぶりの訪日だ。安倍晋三元首相による06年10月の訪中「氷を砕く旅」、温家宝総理による07年4月の訪日「氷を溶かす旅」、そして福田康夫首相による07年12月末の訪中「迎春の旅」を経て、中日関係はすでに正常な発展の軌道に戻っている。胡主席の今回の日本への「暖かい春の旅」は、各分野における両国の協力と交流を一層深め、戦略的互恵関係を突き固め、両国関係の長期的で安定した発展を促すだろう。(文:江新鳳・中国軍事科学院世界軍事研究部研究員)

 

過去1年余り、両国関係はハイレベル相互訪問に先導され一連の進展を得た。外交面では07年1月に第7回中日戦略対話(日中総合政策対話)、08年2月に第8回中日戦略対話が行われ、戦略的互恵関係の発展に関する重大な議題について踏み込んだ話し合いが持たれた。東中国海問題では07年10月に第10回東中国海問題協議、同11月に第11回東中国海問題協議が行われた。洋上の不測の事態を防止するため、海上連絡体制の構築でも合意に至った。

 

経済協力面では第1回中日ハイレベル経済対話が07年末に始まり、マクロ経済・貿易投資・気候変動・省エネと環境保護・地域協力など各分野の問題について率直な意見交換が行われ、相互理解を増進した。現在、日本の資金や技術力と、中国の豊富な労働力、巨大な潜在市場、改善が進む投資環境は相互補完性を形成し、双方に利益をもたらしている。

 

軍事交流でも重大な突破があった。07年8月には曹剛川国防部長(中央軍事委員会副主席、国務委員)が中国国防部長として約10年ぶりに訪日、同年末には中国海軍のミサイル駆逐艦「深セン」が招待を受け訪日し、軍事交流面の「氷を砕く旅」が実現に至った。今年2月には自衛隊の齋藤隆統合幕僚長(海将)が中国を訪問した。軍事面のハイレベル相互訪問は、両国の軍事面の理解と相互信頼の強化、両国および両軍関係の発展の促進に積極的な推進作用を果たした。他にも、軍事留学生の相互派遣、学術交流、医療交流、文化・スポーツ交流といった人的交流活動も実施された。

 

民間交流では昨年、中日国交正常化35周年記念「中日3万人相互観光交流活動」が実施され、両国間の人員往来は例年を大幅に上回った。今年は「中日青少年友好交流年」だ。胡主席が両国の青少年に寄せた言葉「青春の力を挙げて世々代々の友好を図ろう」は、両国の青少年と世々代々の友好への切実な期待を現している。中日各界の交流は全面的に発展し、両国民間の感情も改善され続けている。

 

中日関係にはなお解決を要する問題があることにも当然目を向けなければならない。中日間の「氷山」はすでに溶けたが、関係を徹底的に暖めるには、なお双方の一層の努力が必要だ。中でも最も重要なのは、各分野の交流を一層強化し、理解と信頼を深め、しっかりとした感情の絆を築くことだ。それと同時に、友好的な協議を通じて、中日間の問題を適切に処理し、相互利益とウィンウィンを最大限実現しなければならない。両国の指導者は高い見地に立って、未来に目を向け、中日関係の長期的な計画を策定した。中日双方の努力によって、中日関係は必ずや暖かい春を迎え、両国の互恵協力は必ずやさらに高く、さらに深いレベルへと発展するものと信じている。

 

「人民網日本語版」 2008年5月6日

 

 

 
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