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胡錦涛主席訪日、日本各界の反応
今回の胡錦涛国家主席の訪日の意義やそれに寄せる期待をめぐり、両国の関係者に話を伺いました。
■東京証券取引所・西室泰三会長
■慶応義塾大学・国分良成教授
■国際交流基金北京事務所藤田安彦所長
中国はこれだけ経済が発展しています。それにともなって、様々な問題も起きていますが、実は日本も環境問題を含めて、結構な経験があるわけです。日本はとてもそういう経験を生かしたいと期待していますが、それは中国も期待していると思います。今回の訪日の中で、ぜひ日本も協力して一緒にやりましょうよ、と。中国も一緒にやろうよ、ということですけど、大事なのは、「日本も経験があるので、どうぞ使いませんか」というのではなく、中国における問題、たとえば、黄砂は今世界的な問題になっていますが、これらの問題に対して、一緒に日中間で協力して研究していくことだと思います。日本にも中国にも、両方の問題を一緒になって協力して研究することです。たとえば、砂漠化の問題にしても、日本では経験のないことです。どのぐらい木を植えて、それは効果はどうなのか、よく知りません。
環境の問題だって、湖が太湖を含めて、各地で色んな湖が汚れていますが、こんな汚れた湖をどうやって回復するのか、日本の大きい湖は琵琶湖しかありません。ここでは、大きな湖があって、それを双方の学者が一緒になって研究し、過去に日本になかった対策を考える。それを一緒にやることによって、たくさん解決できると思います。
■新21世紀中日友好委員会 小林陽太郎議長、石川好委員
中国の国家主席としての訪日が今回で十年ぶりになりますし、去年、温家宝総理が日本を訪れ、また、その前に安部首相、福田首相も相次いで中国を訪問し、中日間の関係が非常によくなったので、今回の胡錦涛国家主席の訪日は、、ある意味では、日中間首脳交流の仕上げではないけど、最後の非常に重要なステップとしておいでいただくことになります。
それから、日本の立場から考えると、今年は洞爺湖サミットの年で、環境問題が大きなテーマになっています。ですから、中日間の関係で、胡錦涛国家主席が来日することで、ひとつの節目になっていますが、それだけでなく、胡錦涛国家主席、福田総理が一緒に集まって話し合いをすることは、環境問題に対して何か世界に向けて非常に重要なメッセージを出せるのではないかと、また、それはすべきではないか、そういう期待が日本国内で非常に高まっています。実は、われわれの委員会も、ぜひそのことを両首脳にやっていただきたいです。そういう意味では、今回の胡錦涛主席の訪日は、ぜひ成功していただきたいことで、非常に重要なことだと思っています。
■朝日新聞編集委員、加藤千洋氏
温家宝首相は国会で演説していましたが、今回は、胡錦涛主席も大学で演説することになったようですが、温家宝総理の演説が中国国内でもライブで放送され、画期的なことでした。内容も、日本のことを公正に評価するという部分があって、とても良かったと思います。ぜひそういうものをさらに延長するような内容の演説をするようにしてほしいと思います。
今一番問題になっているのは、残念ながら、ここ数年、日本の国民の中国を見る目、中国国民の日本を見る目が、冷え込んでいると思います。これがやはり異常なことだと思います。人間で言えば、平熱というか、36、37度ぐらいに戻してもらって、肩の力を抜いて、お互いが率直に相手を認められるようにという基本的な環境を整えなければいけないと思います。そういう方向に役立つような胡錦涛さんの訪日であってほしいです。
■日本経済新聞社 杉田亮毅会長
■大学教員、教育学研究者・吉村澄代さん
普通ならば、今度の聖火リレーの件を考えたら、訪日をやめるじゃないかなと言う声が日本側でもささやかれていました。それを日程を変えずに来られるということは、日本人側にとっては、やはり、かなり中国に対する見方が好転するのではないかなと思います。やっぱり避けるのではなく、きちんと来てくださることは大事だと思いますね。
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