胡錦涛主席、早稲田大学で講演(要旨抜粋)

 

胡錦涛国家主席は8日、日本の早稲田大学で重要な講演を行った。講演の中で、一衣帯水の隣国である中日両国は、新たな歴史的出発点に立ち、両国関係をより一層発展させる新たな機会に際会している。中国政府と国民は、両国の相互信頼の増進や、友好と協力の強化、未来に関する計画などの面での成果を期待し、日本側と共に中日戦略互恵関係の全面的発展という新たな局面を切り開くことに努めたい、と胡主席は語った。

 

そして、中日関係の長期で、健全かつ安定した発展を促し、両国国民の世々代々にわたる友好を実現するため、両国国民の相互理解を深めなければならない、と述べた胡主席はさらに、歴史と現実の角度から、中国の発展の過程を紹介した。

 

講演の中で、胡錦涛主席は、中国が改革開放30年間に歩んできた過程と大きな成果を振り返ってそれを総括した。当面世界で競争が日とともに激しくなっている中で、一国、一民族が発展するには、鋭意改革に努め、発展に力を入れ、開放を堅持し、人間本位を旨とし、調和を促さなければならないことを改革開放という偉大な実践の中で認識を深めた、と胡錦涛主席は語った。

 

中国は終始平和発展の道を歩む。これは中国政府と国民の戦略的選択である。この戦略的選択は、中国の国情に立脚したものであり、時代の流れに順応し、中国の国内政策と外部政策との統一、中国国民の根本的利益と各国国民の共同の利益の統一を表し、中華民族の偉大な復興を遂げるための避けて通ることのできない道である。

 

中日両国人民の友好往来の歴史に言及した際、胡錦涛主席は、長い歴史の過程において、中日両国国民は互いに交流し、互いに学び合い、自国の進歩と発展を促し、東アジアの文明及び世界文明の宝庫を豊かにしたと述べた。近代に入って、日本の軍国主義者が中国に対して侵略戦争を引き起こしたため、両国の友好関係は大きな打撃を受けた。この不幸な歴史は、中華民族に大きな災禍をもたらすと同時に、日本国民にも大きな被害をもたらした。歴史は最も哲理に富む教科書である。われわれが、歴史を銘記することを強調するのは、憎しみを継続させるわけでなく、歴史をかがみとし、未来に向かい、平和を大切にし、平和を守り、中日両国人民が世々代々にわたり友好であり続け、各国の国民が永遠に平和を享受することである。

 

胡錦涛主席はまた、1972年の中日国交正常化いらい、両国関係は諸分野において著しい発展が見られ、中日関係の改善と発展は両国及び両国国民に切実な利益をもたらし、アジア及び世界の平和と発展に重要な貢献をしたと語った。今年は中日平和友好条約締結30周年にあたる。中日関係は新しい歴史のスタートラインに立っており、さらなる発展のチャンスに恵まれている。

 

経済のグローバル化に伴い、中日両国の共通の利益が絶えず拡大し、協力の空間も絶えず拡大し、国際及び地域の事務における責任も絶えず大きくなっている。胡錦涛主席は、自分は福田首相と実り豊かな会談を行い、中日の戦略的互恵関係の全面的深化について幅広い共通認識を達成し、両国関係の長期・健全・安定の発展の全般的な枠組みを確立することになったと語った。われわれは、双方が共に努力し、戦略的相互信頼関係を増進し、互恵協力を深化させ、人的及び文化の交流を拡大し、アジアの振興を促し、世界的チャレンジに対応し、共に中日戦略的互恵関係を促すことで合意した。胡錦涛主席は講演の中でこれらいくつかの関連問題について所信を明らかにした。

 

北京五輪について、胡主席は、中国の国民は、北京五輪を成功させることを真摯に願っているとし、「われわれが『一つの世界、一つの夢』というキャッチフレーズをかかげたのは、北京五輪を通じて、連帯・友情・平和といったオリンピック精神を発揚し、各国の人々の相互理解と友情を深めるためである」と語った。

 

胡主席は最後に、中日両国の人々が手を携え、肩を並べて、中日協力という大きな舞台、ひいてはアジアの振興、世界の平和と発展を促すというさらに大きな舞台において、中日関係のよりすばらしい未来をともに切り開き、また、世界のよりすばらしい将来をも切り開いていくことを心から願っていると語った。

 

1882年創立の早稲田大学は日本の著名な私立総合大学の一つであり、日本で最も早くから中国の留学生を受け入れた大学である。長年来、中国の教育機構と頻繁に交流と協力を繰り広げている。

 

 

「チャイナネット」2008年5月8日

 

 
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