四川江油市の避難所の様子

▽被災者たちに少しずつ落ち着き

 

四川省江油市は、震災の被害が著しい北川チャン族自治県や平武県と隣接しており、地震発生後、この2県の1万人以上もの被災者に、避難所を提供してきた。江油市が今までに提供している避難所は150カ所におよび、34万人以上が避難している。

 

避難所4号とされる五路口の中華御景建築工事現場は、北川県陳家坝郷および桂渓郷の被災者650人以上が身を寄せており、高齢者、女性、子供が多く含まれている。地震発生から数日経ち、周囲の人たちと話をする大人たちや、駆け回って遊ぶ子供たちが見られるようになった。

 

避難所の入り口にある緑色のテントは、江油市震災救助指揮部の救助ステーションとして設置されている。テント内では、成都市民によって運ばれたばかりの粉ミルクや薬を、業務スタッフが点検していた。テントの右側には大きな鍋に湯が沸かされており、女性達が、髪を洗っていた。

 

85歳になる楊順富さんは、「今は、ここが家だと思っている。みんなひとつ屋根の下の、暖かい家だ」と語る。

 

▽救援物資は主に社会各界から支給

 

避難所での生活物資を得るのは容易いことではない。江油市震災救助指揮部の17日午前9時までの統計によると、江油市では死者365人、負傷者8482人以上が確認され、そのうち2850人以上が重傷、122人が不明となっている。

 

楊順富さんは「何も持たずにここに来た。これらは全部、政府や社会が給付してくれたものだ」と茣蓙や布団を指して語る。

 

避難所で暮らす乳児には粉ミルクが不可欠だ。情報が出されてから2時間足らずで、救助ステーションに粉ミルクが運ばれた。

 

救援物資は、江油市政府や上級の政府からも支給されたが、ほとんどは社会各界からの寄付によるものだ。調達した救援物資を管理するために、江油市震災救助指揮部は、震災救済物資配送センターを設立。各種物資を一カ所に集め、各救助ステーションの需要に基づき、配分していく予定だ。

 

▽被災者の食事、救助スタッフより上等

 

震災による被災者の食事はどうだろう?見てみると、震災救助指揮部の業務員よりも、良いものを食べているようだ。5月17日、震災救助指揮部の晩御飯は、粥とジャガイモの千切り炒めだったが、避難所の中では、粥と肉ジャガが出された。

 

北川県桂渓郷謂溝村の張興生さんは、「ここでは毎日、暖かい食事にありつける。昼御飯は夜よりもよかった」という。その日の昼御飯は、粥ではなく白い御飯で、昆布と豚のヒズメが入ったスープ、野菜炒めが出された。

 

飲料水も問題なく、毎日、ペットボトルの水が配られる。生活用水は建設現場の地下水を使うことができる。避難所から約30m離れたところには、清潔な簡易式トイレが備えられている。

 

▽被災者は自己管理を

 

江油市政府は、被災者の管理のために、出身村ごとに、この避難所を6区に分け、各区には責任者1名、衛生員1名、安全員1名を指名し、各区の環境衛生や生活秩序の管理をさせていく予定だ。

 

江油市民政局幹部の塗徳林さんは「被災者の自己管理を要求する」と述べている。

 

この避難所では、みな、食べ物のカスなどのゴミを、端においてあるゴミ箱にきちんと入れ、清潔を保っている。

 

この避難所は、毎日午前10時から午後5時まで、ボランティアにより、公共エリアの消毒が行われている。

 

 

「人民網日本語版」2008年5月19日

 

 
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