死に直面しても、責任を選ぶ

 

五月十二日正午十二時、都江堰市人民病院の麻酔師の陳峰さんと彼の所属する手術チームは手術室に入り、虫様突起の切除手術に取りかかっていた。手術中の午後二時半、突然激しい振動に襲われた。手術室は激しく揺れ動き、業務用の大型エアコンが倒れた。

 

過去に二度地震を経験したことのある陳峰さんは、ドアの方向を指さしながら叫んだ。「地震だ。あそこなら安全だ」七名のスタッフは手術室のドアに駆け寄り、ドアのかまちにしっかりとしがみついた。恐ろしい揺れが収まると、陳峰さんはみんなの目の緊張を見て取ったが、小さな声で「続けよう」と言った。反対する人はだれもいなかった。こうして一時的に中断していた手術を再開した。

 

しばらくして、再び激しい揺れが襲った。彼らは今度もドアの方に集まり、かまちにしがみついた。揺れがおさまると、再び手術を再開した。「みんながついていますから、安心してください」と陳峰さんは患者にそっと声をかけて安心させた。手術はいつものように整然と進められていたが、余震が襲ったときだけはしばらく中断された。午後三時、手術は無事に終わった。みんなで患者を病院の外まで運びだした。「そのときになって初めて、全身が汗でびっしょりになっていたことに気づきました」陳峰さんはそのときの思いを語る。「あのような状況でも、誰も逃げ出したりしません。私たちは患者を見捨てるようなことはありません」

 

 

人民中国インターネット版 2008年5月21日

 

 
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