天災は無情でも、人には情がある

 

成都市では、千名以上のタクシー運転手が自発的に付近の被災した県や市へ駆けつけた。彼らは現地の人々に救済物資を届け、さらに負傷者を成都へと運んだ。

 

江油市の女性警官である蒋暁娟さんは、地震発生後、まだ六カ月にもならない息子を両親に預け、全力で救助活動にあたった。被災者の中に、母乳を必要としている赤ん坊たちがいることがわかると、自ら授乳してあげたいと申し出た。「ゆっくり飲みなさい。いい子ね」と女性ならではの優しさと思いやりで、何も知らない赤ちゃんを優しくなだめた。地震発生後三日目にしてようやく母乳が飲めるようになった赤ん坊を見て、多くの被災者がほっとして感激の涙をこぼした。

 

綿竹市遵道鎮の韓先成さん(二十八歳)は、地震発生後すぐに個人診療所の救急医薬品をすすべて出した。災難を逃げ延びた重傷者は、彼のおかげで応急処置を受けることができた。現地で布を販売している賀思萍さんは、危険をかえりみずいまにも倒壊する可能性のある店の中へ戻り、倉庫にあった布を死体を包むためにと援助隊のもとへ届けた。残念ながら命を落としてしまった人々の最後の尊厳を守るためであった。

 

綿陽市でレストランを経営する何家の三兄弟は、毎日料理を街頭の被災者に無料で配給している。需要がある限り、ずっと続けていきたいという。

 

地震発生後まもなく、まだ驚きと恐怖のさめやらぬ被災地の多くの農民が、自分の家で作っている穀物や野菜、肉、卵、魚などを街まで運び、食べ物が不足している市民に配った。

 

こうした話に、四川省の李成雲副省長は感激のあまり涙にむせんだ。被災地においてこうした心ある人々の行動は、枚挙にいとまがないほど、そして毎日のように現地で目にすることができる。

 

 

人民中国インターネット版 2008年5月21日

 

 
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