助けなかったら、後悔する
陳浩さん(十二歳)は、成都市第五人民病院のベッドに静かに身を横たえている。彼の両足と右手は厚い石膏と包帯にくるまれている。胸には心電図モニターがつけられている。父親の陳強さんはつぶやく。「息子は本来こんな目にあわなくてもよかったのに」
陳浩さんは成都市温江区玉石卿実験小学の六年生である。地震が発生した際、二階建ての校舎が激しく揺れ、生徒たちは急いで階段を駆け下りた。陳浩さんもすぐに階段を駆け下りて、安全な場所まで避難したが、ふと高い壁の前にいる女性生徒が目に入った。彼はすぐに引き返してその女子生徒を壁から引き離した。しかし、高さ三、四メートルのレンガ造りの壁がガラガラと崩れ落ち、陳浩さんの背中と両足がその崩れた瓦礫の下敷きになってしまった。その女子生徒は助かった。
両足骨折、腰椎の複雑骨折、肺出血という大怪我をした陳浩さんの傷の手当てには、負傷者が多すぎたため、麻酔薬が使えなかった。彼は強靭な意志で、まったく泣き声をあげなかったが、その後、四十度近い高熱を出してしまった。彼の母は涙を拭きながら話した。「意識がないというのに、この子は突然手を振って『彼女の手をつかんだよ』とつぶやくんです」
人民中国インターネット版 2008年5月22日
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