武装警察大佐・李丕金:身内13人の被災に負けず救援活動の第一線に

 

李丕金・武装警察成都支隊政治委員は将兵を率い、都江堰、汶川映秀鎮など大きな被害がでた被災地を転戦、生き埋めとなっていた820人あまりの人々を救出したが、身内を3人失い、10人の身内はいまも連絡がつかないままである。

 

李さんは北川県治城郷に17人の身内がいる。5月12日、地震発生後、即座に部下を率い、ひどい被害がでた都江堰建新小学校で救援活動にあたり、瓦礫のなかに生き埋めになった生徒と先生たちの救出を第一線で指揮した。

 

李さんは、先頭にたって手で瓦礫を掘り、コンクリート板を運び、手と指は傷だらけになり、指先が破れ、つめが剥がれた。5時間の奮闘を経て、部隊は生き埋めになっていた人々103人を救い出した。

 

李さんが全力で救援にあたっている最中、故郷の北川の姉から電話がかかってきた。家は崩れ落ち、姉だけが瓦礫からはいだし、綿陽市に駆けつけ、かけてきた電話だった。兄妹五家族の家族はみな瓦礫の下にあり、なんとか救い出す方法を考えて欲しい、という。5月12日午後から14日午前までに、李さんは将兵を率いて、630あまりの人々を救出した。

 

瓦礫の下で助けを呼ぶ人々を目の前にして、李さんは、悲しみをこらえ、姉を慰めた。「私は今、都江堰の人々の救出にあたっている。あせる必要はない、党と政府がすぐに人を派遣して救出にあたるはずだ」。話し終わるとすぐ生き埋めとなった人々の救出作業に戻った。

 

14日6時30分、李さんは、被害が最もひどい汶川県の映秀鎮へすぐ赴くよう命令を受けた。この時、姉からまた連絡が入った。都江堰で通学している姪が行方不明で、李さんに学校にいって探してくれるように、というものだった。

 

そばにいた同僚は身内に被災者がでたことを知り、兵士を数人、学校に派遣して捜索させては、と李大校に助言した。「生き埋めになっている大衆もが私たちの兄弟姉妹だよ」彼はきっぱりと言って、1500名の士官と兵士を率い、映秀鎮に入った。

 

映秀鎮は今回の地震の震源地であり、周囲の道路はすべて崩れ落ちた巨石と土石流によってふさがれ、道路は不通になっていた。李さんは士官と兵士を率い、大雨をものともせず、山をのぼり、嶺を超え、強行軍を続けた。500メートルにわたる山崩れの現場をのぼっている時、突然、余震が発生、山の頂上から大石が落ち、とっさに身をよけた彼のすぐわきを転がっていった。

 

13時間以上にもわたる苦難にみちた行進ののち、李さんは、部隊を率いて50キロの道なき道を進み、映秀鎮に到着、救援活動を展開した。

 

李さんと部隊は映秀鎮の漩口中学校など18の地点で救援活動を展開し、190人の生き埋めとなった人々を救い出した。

 

食糧、飲料水の供給が十分保証されない困難な状況下、30時間以上一口の水も飲んでいない部隊の人々は、自分たちが携帯したミネラルウォーターとパンをすべて、被災地の人々に渡した。

 

人民中国インターネット版 2008年5月22日

 

 

 
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