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青空でオリンピックを迎える北京

 

北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」の澄み切った青い空(7月6日)

北京オリンピックの開催まであと1カ月となった。北京環境保護局が発表したデータによると、今年の上半期、大気の質が基準に達した日数は123日で、これまでの9年間で最多を記録したという。

北京市民の蔡栄さんは、「今年、北京の空気は以前よりよくなった。自分でもよく分かっている。空気が新鮮になり、特にマンションの敷地がきれいに整備されているところが増えた」と語った。

北京の環境保全については、市民ばかりか、北京で働く外国人も実感している。北京の某大学で教鞭を取っているドイツ人のヴォルフガング・ハイブルさんは北京に暮らして5年になる。ハイブルさんは環境が徐々によくなっていることを目の当たりにし、それに対する政府の取り組みにも大変注目している。

「北京市政府は環境保全に大いに力を入れてきた。オリンピック開催期間に車の走行量を制限することや、汚染のひどいプロジェクトや工場を一時停止させるなどの措置を取った」

ハイブルさんが話したように、オリンピック開催期間に空気の質を保つため、北京市は7月1日から、自動車の1割を占める汚染排気量の多い車種の運行を禁止したり、地方からのトラックには北京を迂回してもらったりしている。また7月20日からは、自動車のナンバーが奇数か偶数かによって、交互に走行規制を行うなどの対策を行う。これについて、北京市環境保護局の杜少中副局長は次のように話している。

「自動車に対する規制、特に奇数ナンバーと偶数ナンバーによる走行規制により、期間中自動車排気ガスの63%、約11万8000トンを減らすことができる」

杜副局長によれば、2001年に北京オリンピックの開催が決まってから、これまで環境保全に900億元以上が投資された。中でも、大きな動きとしては、汚染のひどい企業を移転、営業停止または技術改善をさせるなどした。最も注目されたのは80年もの歴史を有する鉄鋼工場を北京から移転させたことである。それにより、北京の重工業時代は幕を閉じた。そのほか、古いタクシーやバス数万台を廃棄処理し、省エネタイプの新型車を導入した。また、石炭ボイラーを改良し、そのほとんどを天然ガスまたは電力使用のものにチェンジした。日常生活の面でも、町に緑を植えたり、公園を増やしたりした。さらに近郊の農民に麦などの茎を燃料として使用する従来のやり方をやめさせたり、工事現場では粉塵が飛散しないよう規定を厳しくしたりした。

これらの措置を通じて、オリンピックを招致したときに約束した7つの環境指標は2007年末、すべて実現した。今日の北京は、山は緑に覆われ、市内は緑に囲まれ、郊外に行けば田園風景を楽しめる環境に生まれ変わった。

北京環境保護局責任者の王小明さんは、「長年の努力によって、空気が目立ってよくなった。これを元に、さらにオリンピック開催期間に臨時的な措置を加えれば、北京は必ずきれいな空気で海外の皆さんを迎えることができると信じている」と語った。

 

「中国国際放送局 日本語部」より2008年7月8日

 

 

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