国連の翻訳――外交活動における人知れぬアシスタント

ヨハネス・マンゲンシャ(Yohannes Mengesha)

2006年4月26日、国連大会・会議管理部秘書長補佐に任命。

1992年~94年、国連事務局人道主義事務部高級顧問を担任。

1994年~96年、国連世界食糧計画(WFP)ローマ本部でアフリカ東部・南部区域管理者を担当、20カ国の緊急・復旧・発展における提案を処理。

1995年、WFP代表団の団員として北京・第4回女性問題世界会議に出席。ケンブリッジ大学文学学士と法学修士の学位を有する。

 国連大会及び会議管理部のヨハネス・マンゲンシャ秘書長補佐の講演のテーマは「国連の翻訳――外交活動の人知れぬアシスタント」である。講演では、国連の言語専門家は各加盟国の間の政治対話と外交交渉を促進することにおいてその役割を発揮していることに重点を置き、国連という政治的な国際機構における翻訳活動の特殊性と特別な環境を強調する。このような機構において、文化と言語の多様性は外交活動の微妙性を増し、言語にまつわる仕事に従事する者も特有の挑戦に向き合うこととなった。実践から事例を挙げてその挑戦を詳しく述べ、国連及びその言語にまつわる仕事に従事する者が多言語及び文化の多様性の尊重を推進する役割を説明し、国連において言語にまつわる仕事に従事する者がユネスコと国連大会で宣言した2008年国際言語年に寄せた祝賀についての状況を紹介する。

このような環境において従事する翻訳活動は、単なる仕事や職業ではなく、ある神聖な事業、使命である。通訳者と翻訳者たちが世界レベルのプロフェッショナルの職人になるべく、外交交渉のため人知れず懸命な努力を重ね、往々にして個人的見解は捨て去り、原稿の起草者と交渉に臨むそれぞれの側の声を伝える。そのため、国連の通訳者及び翻訳者はいかなる心理的妨害を取り除き、補佐的な地位で、わき役を務めることに甘んじていなくてはならない。国連の言語専門家は必ず三つの国連正式文書を用いる語種に精通することになっている。ずば抜けた才能、いかなる仕事もおろそかにせず、丁寧に仕事をし、謙虚な姿勢で、新しい道を切り開こうとする勇気を備えていなくてはならない。このような長所のすべてを一身に集めるような人材はきわめて得難いものである。これが国連で人材を募集する上でたえず挑まなくてはならない問題となっている。

さらに国連の翻訳者として必要な素質、条件と能力を紹介、言語工作者を募集する手順も概説する。

 

人民中国インターネット版 2008年7月17日

 

 
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