「798」芸術区
北京では多くの古い建物が、新しい時代になって新鮮な活力を発揮し始めた。
すでに北京の現代アートの代名詞となっている「798」は、北京・東北部の酒仙橋にあり、もとは「北京華北無線電聯合器材厰」の中の一つの工場であった。
この工場は、かつて東ドイツが中国を支援するプロジェクトの一つであった。東ドイツの副総理が指揮をとり、ドイツ人専門家がドイツの技術や設備を使って完成したものだ。工場の外観は典型的なバウハウス風で、実用性を重視し、新しい材料や新しい構造の技術的性能と美的感覚を発揮し、造形は簡潔、構図は多様で柔軟性に富んでいる。
2000年、「798」など数社の工場が再編成され、北京七星華電科学技術集団有限責任公司が成立された。一部の工場は移転し、使わない工場は貸し出された。
古い工業区は整然と整備されており、交通が便利で、とりわけバウハウス風の建物は、多くの芸術機構や芸術家を引き付けた。そしてここは次第に、画廊や芸術スタジオ、文化企業、ファッションショップが一体となった多元的文化空間を形成した。
古い工場を現代芸術区に改造するやり方はここ数年、しだいに多くなっている。例えば「798」芸術区に隣接する北京ガス工場は、北京のガスが「石炭から天然ガスに取って代わる」ことによって、しだいに歴史の舞台から消えていった。しかし、工場内の巨大な液化ガスのタンクや鋼鉄製の管や線、鉄道のレール、古い工場などの工業的要素を利用しようと、ここに芸術、ファッション、芸能などのデザインやベンチャービジネスが集まってきた。ここで行われた鋼鉄製の管や線をバックにしたファッションショーは、人々の耳目を集めるものとなった。
<メモ> ☆「798」芸術区は北京市朝陽区大山子、酒仙橋路4号にある。 ☆自動車なら首都空港高速道路や京順(北京ー順義)道路の大山子出口で下り、右に行けば酒仙橋路に出る。路線バスは401、420,405、909、955、991、988で下車 ☆月曜日は一部の画廊が休館。
人民中国インターネット版 2008年8月4日