少林寺の釈永信・方丈は10日、新華社のインタビューを受け、「北京大会というチャンスを生かし、少林寺の武術の魅力を世界に伝えたい。『鉄は熱いうちに打て』という。次回大会での正式競技種目入りを目指して努力していく」と述べた。
北京五輪の開幕式で釈方丈に大きな印象を与えたのは、太極拳と少林武術を融合させた武術パフォーマンス。中国武術の代表的な要素を世界に見せる絶好の場となった。中国武術のエキシビション種目もまもなく開始される。釈方丈は、これを機に武術熱が世界に広がることを期待している。
釈方丈は1年前、北京五輪の開幕式には中国武術の要素を取り入れるべきだとの提案を行った。国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ主席にも、中国武術を五輪種目に加えるよう何度も提案してきた。「東洋人が幅広く行っている伝統武術が五輪種目に入っていないことは五輪関係者にとっての大きな損失だ」というのが釈方丈の持論だ。
釈方丈によると、もしも中国武術が五輪の正式な競技種目に加えられれば、少林寺は代表選手の研修を引き受け、少林武術のトレーニングを提供してもいいという。「オリンピックと武術の精神は似ている。いずれも平和と友愛を伝える、国境を越えた人類の共通言語だ」と釈方丈は語る。07年に少林寺を見学したIOCのロゲ会長も、「中国武術とオリンピック精神は一致する」との見方を示したという。
釈方丈は今回、ロシアの招きに応じて、少林寺の僧20人余りを連れて北京に来た。ロシア代表団の役員や選手の一部に向けて、少林武術のパフォーマンスを行うためだ。
「人民網日本語版」 2008年08月10日
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